書籍「Effectuation エフェクチュエーション」 ①
私は、「エフェクチュエーション」と言う言葉は、知りませんでした。
しかし、書籍の「はじめに」を読むことである程度理解できそうな気が致しました。
第1章から第10章までに構成されたこの書籍ですが、時間をかけて読みながら理解を
少しずつ深めたいと思います。
すべてをご紹介することはできませんが、私が参考になった部分を箇条書きにて
「代表のブログ」でご紹介したいと思います。
「Effectuation エフェクチュエーション 優れた起業家が実践する「5つの原則」
神戸大学大学院准教授 吉田満梨・サイボウズ執行役員/複業家 中村龍太
世界的経営学者が発見した、戦略や計画よりも重要な思考法
Bird Hand 手中の鳥の原則
Affordable Loss 許容可能な損失の原則
Lemonade レモネードの原則
Crazy Quilt クレイジーキルトの原則
Pilot in the Plane 飛行機のパイロットの原則 を習得できる日本初の入門書!
ダイヤモンド社
仕事ができる人たちの
「突破力」や「諦めない力」の正体は、
エフェクチュエーションなのかもしれない
エフェクチュエーション 目次
はじめに
・ 本書は、不確実性の高い状況であける意思決定の一般理論として、近年注目されて
いる「エフェクチュエーション」の入門書です。
・ エフェクチュエーションの大きな特徴は、従来の経営学が重視してきた「予測」で
はなく、「コントロール」によって、不確実性に対処する思考様式であることです。
そのため、たとえば、既存の顧客ニーズを前提にできない製品・サービスの事業化、
最適なアプローチを定義することが困難な課題解決など、高い不確実性を伴うが
ゆえに、予測に基づく意思決定では合理的と見なされないように取り組みの推進
にも、適用することができます。
・ 本書は、幅広い読み手に対して、「エフェクチュエーションとは何か」をできるだ
けわかりやすくお伝えすることを意図していますが、とりわけ次のような方々に
とって、エフェクチュエーションを知る入り口となれれば、大変うれしく思います。
第一に、スタートアップや既存会議で、新規事業開発や市場創造、イノベーション創出
など、極めて高い不確実性を伴う問題に取り組んでいる方々です。エフェクチュエー
ションの思考様式は、予測に基づく合理的な意思決定では対処しきれない課題に直面
した際に、新たな道筋を示してくれることと思います。また、そうした方々のなかには、
これまでの試行錯誤の経験のなかで、理論は知らなくともすでにエフェクチュエーション
を実践されている方もいると考えています。そういったエフェクチュエーションの実践
者(エフェクチュエーター)にとっても、ご自身の実践を振り返り、体系的に整理する
助けになることを期待しています。
第二に、起業家やイノベーターのように、新たな価値を創造する人々への憧れはあっても、
自分にはできないと感じて、なかなか行動に踏み出せずにいる方々です。なかには、
過去の志あるチャレンジが頓挫してしまった経験を持つ方もいるかもしれません。
しかし本書を通じて、新たな価値を創造することは、特別な人にしかできない仕事では
決してなく、誰もがエフェクチュエーションの実践を通じて、現実をよりよく変えてい
ける可能性があることを、実感いただく助けになればと考えています。
第三に、エフェクチュエーションの学習・教育に何らかの関心を持つ方々です。本書の
第1章から第8章までの内容は、私自身がエフェクチュエーションの教育に関わらせて
いただいた7年ほどの試行錯誤から作成した講義内容を、文章化したものでもあります。
授業では、後述のようにアクティブ・ラーニングを重視しながら、サラスバシー教授の
前掲書、海外で広く活用される教科書『Effectual Entrepreneurship』、エフェクチュ
エーションに関する学術論文の動向を踏まえて、そのエッセンスを講義でお伝えするこ
とに努力してきました。いまだ改善の余地は多くありますがエフェクチュエーションを
自ら学びたい方、誰かに伝えたい方のいずれにも、参考にしていただける内容があれば
幸いです。
エフェクチュエーションは、誰もが学習可能な意思決定の理論です。
本書で初めてエフェクチュエーションを知ったという方も、その思考様式を身につける
ことは可能です。その際に、学習を促すポイントが少なくとも2つあると感じています。
1つは、エフェクチュエーションが、実践を伴うことで初めて深く理解できる思考様式
であることです。それは、自転車の乗り方や楽器の演奏の習得に似て、もし座学だけで
概念的にのみ理解しようとすれば、自転車に跨ったり楽器に触ったりすることなく理論
だけを学ぶようなもので、限定的な学習になってしまう恐れがあります。
そのためビジネススクールの授業でも、一人ひとりの受講生がエフェクチュエーション
の思考様式を実際に活用して、自らの不確実性を伴うチャレンジを前に進めてもらう、
アクティブ・ラーニング形式を前提としています。また、エフェクチュエーションの
適用領域はビジネス領域に留まらず、不確実性を伴うあらゆる創造プロセスでも活用
できますので、本書を読まれた皆様も、趣味やプライベートを含む日々の実践のなかで
エフェクチュエーションの思考様式を活用し、ぜひ理解を深めていただけたらと考えて
います。
もう1つのポイントは、身近にエフェクチュエーションの実践者(エフェクチュエーター)
の先達を見つけることです。先述の通り、エフェクチュエーションという言葉を知らず
にその思考様式を実践している人々は、世の中の一定割合存在しています。そうした
エフェクチュエーターの具体的な実践を知ることは、エフェクチュエーションを後世
する思考様式や、その全体プロセスについての理解を深めるうえで、大きな助けになる
と考えています。
そのため授業では、講義でできるだけ多くの事例を取り上げるだけでなく、受講者自身
のエフェクチュエーションの実践を共有してもらったり、実践者をゲスト講師として
招いたり、といった工夫をしています。本書の第9章・第10章を執筆されている中村龍太
さんも、私のビジネススクールの授業でゲスト講師をしていただいたエフェクチュエー
ターです。その経験から、多く気づきを得ていただけることと思います。
・本書を手に取ってくださったあなた自身もまた、エフェクチュエーションという思考
様式に基づき、自分にとっての〝イノベーション〟と呼べるような意味のある実践に
向かって、一歩を歩み始められることを心から願っています。
2023年7月 吉田 満梨
このように、「はじめに」を読むことである程度、書籍の内容が理解できると
思います。
時間をかけて、ご紹介したいと思います。
2025年9月9日
株式会社シニアイノベーション
代表取締役 齊藤 弘美