お問い合せ

書籍「Effectuation エフェクチュエーション」 ②

第1章 エフェクチュエーションとは何か

 

サラスバシーによる熟達した起業家に対する意思決定実験

 

・ 「エフェクチュエーション」とは何かを一言でいうならば、「熟達した起業家に

       対する意思決定実験から発見された、高い不確実性に対して予測ではなくコント

       ロールによって対処する意思様式」です。

 

・ 最終的にデータが分析された27名の調査対象者は、いずれも3つ以上のベンチャー

     起業経験者のある連続起業家の男性でしたが、彼らの居住地、経験、業界は多様で、

     また意思決定の結果もさまざまでした。同じ架空の製品からスタートしたにもかか

     わらず、調査対象者は最終的に18ものまったくこと異なる市場の定義に至ったのです。

 

・ 一方で、発見されたのは、彼らの意思決定における明確なパターンの存在でした。

     つまり、それまで存在しない製品を事業化するという、きわめて不確実性の高い

     問題に対して、経験ある起業家は共通の論理を好んで活用していたのです。

     その論理は、具体的には5つの特徴的なヒューリスティクス(経験則)であり、それら

     は総体として「エフェクチュエーション」と名付けられました。

 

□ ヒューリスティクス(経験則)

 

AIが回答を生成中

ヒューリスティクスとは」のAI回答

 

ヒューリスティック(heuristic)とは、経験や先入観に基づき、直感的にある程度正解

に近い答えを導き出す思考法や発見的手法のことです。

ヒューリスティックは、心理学や計算機科学の分野で用いられ、人間の思考方法やプロ

グラミングの方法を指します。

 

– 特徴 –

 

・ 必ずしも常に正しい答えを導くわけではありませんが、迅速な意思決定を可能に

     します。

 

・ 「経験則」と同義であるとも言われています。

 

・ 理論的に正しい解を求める「アルゴリズム」とは対照的な概念です。

 

– 具体例 –

 

・ 服装からその人の性格や職業を判断する。

 

・ テレビCMが雰囲気やイメージを使って購買意欲を促す。

 

・ パイロットがハドソン川に着陸する判断を下し、乗客全員を救った例。

 

– 種類 –

 

・ 代表性ヒューリスティック:見た目や特徴、典型的なイメージに基づいて判断する。

 

・ 利用可能性ヒューリスティック:記憶に残りやすい情報に基づいて判断する。

 

・ 固着性ヒューリスティック:最初に与えられた情報に影響されて判断する。

 

– 利点と注意点 –

 

・ 迅速な意思決定ができるという利点がある一方で、判断ミスを誘発しやすいという

     デメリットもあります。

 

・ 認知バイアス(思考の偏り)を引き起こす可能性があり、特に重要な意思決定の

     際には情報収集に時間をかけることが有効です。

 


 

この続きは、次回に。

 

2025年9月11日

株式会社シニアイノベーション

代表取締役 齊藤 弘美

トップへ戻る