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今日の気づき-読売新聞「和食はロックンロール」を読んで ⑥

[時代の証言者]和食はロックンロール 村田吉弘<28>大きな岩 転がす使命

2026/02/16 05:00

 

「日々新しいことをやっていく。それが、いずれ伝統になります」

(京都・菊乃井本店で)=鈴木竜三撮影

 

和食はロックンロールやと言うてます。

常に揺れて動いて、同じところにとどまってませんよと。時代の方向性を見定めて、

常に新しくあろう、次の時代の人にも喜んでもらえるものを作っていこうという気概を

持って転がっていく。

和食といえば伝統を重んじて古いものを守り、昔と何も変わらへんのが価値やと思われ

がちですが、そうではない。ずっと変わらへんように思わせているってことは、実はず

っと変わっているってことです。お客さんが、先代の頃からこの店通ってるけど何も

変わらずおいしいなと言わはったら、それは店の味が確実に変わっているということです。

大根にしろ、ニンジンにしろ、食材自体が変化していて、今の時代ならこうした方が

おいしいなというのがある。人の味覚だって変わります。フォアグラを見たことない、

トリュフも知らんという時代から、今はおいしいものを食べに海外に行き、肉の熟成

具合から焼き方まで、さまざまな知識が得られる時代です。そんな時代に先代と同じ

料理法で同じ料理を出していたら味落ちたなと言われます。もう絶えず変化していかな

いと博物館的な料理になっちゃう。

もちろん、博物館的な料理にも価値はありますよ。でも、それが全部じゃ和食は廃れる

し、今の時代の人たちに食べてもらえないでしょう。

常に変革を求めるといっても、物の見方や料理に対する姿勢は伝承されるべきものやし、

考え方や技術の基礎ができていなければただの無国籍料理になって次の発展はない。

フランス料理やったらエスコフィエが書いた本を、和食の料理人やったら 典座(てんぞ)

教訓を読まなあかんという話ですね。

《典座教訓は曹洞宗の開祖・道元禅師が、修行僧の食事をつかさどる典座の心構えや

仕事の手順などを説いた書》

常に転がるというと、ローリングストーンズを思い浮かべる人も多いと思います。でも

ストーンって石でしょ。ロックンロールのロックは揺らす、揺り動かすことですが、

ロックという単語自体には岩の意味もある。大きな岩を動かすには相当なパワーが

必要で、みんなと一緒に力を合わせないと転がっていかない。

僕は、大きな岩を転がすことが自分の仕事やと思っているんです。和食をユネスコ無形

文化遺産にして、食を日本文化の中に組み入れたのもその一つ。みんなが無理やと反対

する中で、周囲を巻き込んで岩を動かした。日本料理全体という大きな岩を引っ張って

いくことが自分の使命やと思うてます。ロックンロールには体制に びず、自由な精神

で情熱的に挑戦し続けるイメージもあります。和食はロックンロールであるべし。

革新の結果が伝統を生む。前へ前へと突き進むことが大事やとみんなに言い続けています。

(「菊乃井」三代目主人)


 

今回で、〝[時代の証言者]和食はロックンロール 村田吉弘〟は、最後となります

詳細は、インターネットで検索の上、ご覧下さい。

 

 

2026年3月8日

株式会社シニアイノベーション

代表取締役 齊藤 弘美

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