企業とは何か-①
企業とは何か。
P.F.ドラッカー「著」 上田惇生「訳」
・本書「企業とは何か」は、1946年.ドラッカーが36歳のときの第3作である。
人類にとってのマネジメントは本書から始まった。
まえがき
第1部 産業社会は成立するか。
第1章 企業が基盤となる産業社会
〇 自由企業体制とは何か。
・自由企業体制が経済的な機能に加わって、社会的、政治的な機能を
果たすことを求める。
・どこまでなすべきことをなしうるか、なしえぬことをなすための
最も有望な手立ては何かを明らかにしようとする。
・利益は企業活動を動機づけ、規定する。
購入を決定するのは、消費者である。
価格は、権力ではなく需給によって決定される。
・私有企業は、競争市場で利益をあげつつ販売すべき製品を生産する。
・本書における自由企業体制の意味合いもこれである。
〇 企業は社会の代表的組織である。
・今日では近代社会そのものが、産業技術なくしては存在しえないことが
認識されている。
・社会にとって重要なことは自らの存続である。しかるにその産業技術が
大量生産を可能とする大規模事業体を必要とすることが明らかになっている。
・大規模事業体は、理念と制度の如何にかかわらず近代社会に不可欠の
組織である。
・大規模事業体に何を求めるか、いかなる大規模事業体がわれわれの期待と
欲求に応えるかである。
社会の代表的存在→人の生活と生き方を規定し、方向づけ、その社会観を
定め、かつ問題を生み問題を解決している社会組織である。つまるところ、
社会の本質とは静的な量ではなく、動的な要因である。
事実の集積ではなく、事実に意味を与える表象である。
平均ではなく代表的存在である。
社会工学を超えて→利益とは、それなしには経済的活動が成り立たないと
いう保険料であるとともに、評価のための尺度である。したがって、利益を
いかにとらえるか、自由競争によるべきか、コスト計算と統制価格によるべき
かという問題は、すぐれて客観的な問題である。
〇 何故GMなのか
〇 産業社会成立の条件
企業と社会との関係、及び企業内の人間との関係にあるとする。
企業の政治的分析を次の三つの側面から行う。
第一に、それぞれの目的をもち、存続の倫理によって限定される
自立した組織として分析する。
第二に、社会の代表的組織として社会の信条と約束の観点から分析する。
第三に、社会が社会として機能するうえでの条件とのか関係に於いて
分析する。社会の存続と安定への貢献を分析し、企業の目的と
社会からの要求との整合性を分析する。
この続きは、次回に。