新装版 こころの朝 ⑤
12 「もう九割以上、成功したようなものだ」この慢心と油断が、信じられない敗北を招いた
桶狭間の戦い① 今川義元の破滅
「百里を行く者は、九十を半ばとす」
何事も残り少しという所が最も困難で失敗も多いから、終わりが近づいても油断は禁物である、という諺。
この教訓を守っていれば、今川義元は、桶狭間の戦いで、無残な死に方をせずにすんだに違いない。誰が見ても、信じられない敗北であった。
おごるなよ 月の丸さは ただ一度
13 本当の敗北は、「もうダメだ」「負けた」と思った瞬間から始まる。
桶狭間の戦い② 織田信長の勝利
本当の敗北は、「もうダメだ」「負けた」と思った瞬間から始まる。後ろ向きな心は、物事を悪いほうへ悪いほうへ運んでいく。「まだまだ」「なんとしても」という信念を持てば、道が開け、予想以上の結果を得られることが多い。あきらめは禁物である。
人間五十年
下天の内をくらぶれば
夢幻のごとくなり
一度生を得て
滅せぬ者のあるべきか
「人の一生は、アッという間に過ぎていく。振り返れば、夢、幻のようなものだ。
しかし、同じ人生ならば、可能性を求めて、前向きに生き抜きたい。
死なない人間など、一人もいない。全力を尽くしたうえで倒れるならば本望だ」
一点集中、力を尽くせば、必ず道は開けるのだ。
14 あせらずに、一歩一歩—–。下積みの苦労が秀吉を天下人にさせた
豊臣秀吉の夢
夢を語り合うのは、楽しい一時だ。
「一国一城の主になってみせる」
「いや、百万石の大名だ」
「男と生まれたからには、天下を取ってみたい」
秀吉は、
「おまえらは、所詮、かなわぬことばかり言っている。地に足のついていない目的だから、あせって空回りするだけだ。志を得ない愚痴や、不平、不満ばかり言うようになったら、もう向上はない。だが俺は、手が届くことを言っている。今、自分が頂いている仕事に全力を尽くせば、必ず認められる。やるべきことがハッキリしているから、日夜、侵食忘れて没頭できるのだ。一つの目的が成就したら、その喜びをもとに、また、次の仕事に集中していく。一歩一歩、着実に積み重ねていけば、予想以上の結果が得られるのだろう」
一つ一つ、足元を固めて努力していくことが大切である。
踏まれても 根強く忍べ 道の草
やがて花咲く 春の来るまで
この続きは、次回に。