お問い合せ

完訳 7つの習慣-人格の回復-34

第四世代の利点

 

自分自身を効率よく動かすのではなく、自分自身が効果的に生きることが

何よりも重要であるという認識に立っている。

第四世代のセルフ・マネジメントは、次の五つの点で第三世代よりも優れている。

一.原則中心であること。

二.良心に導かれていること。

三.価値観や長期的な目標を含めて、自分だけに与えられたミッションを

  明確にできること。

四.人生における自分の役割が明確になることで、バランスのとれた生き方

  ができるようになる。

五. 一週間単位のスケジューリングによって視野が広がること。

 

これら五つの利点に共通しているのは、あくまで時間は二番目であり、

人間関係と結果を第一に重視しているということだ。

 

デリゲーション: PPCを高めるために

 

すべてのことを達成するには、自分の時間を使って実行するか、

人に任せるかのどちらかしかない。

ここで大事なのは、自分の時間を使うときは効率性を考え、人に任せる

ときは効果性を考えることである。

個人であれ、組織であれ、デリゲーションこそが成長をもたらすと言って

いい。

故J・C・ペニー(訳注:アメリカの実業家)は、「生涯で最良の英断は、自分

一人の力ではもうすべてを切り盛りすることはできないと悟ったときに

手放したことだ」と言っている。

スタッフは、効率を落とさずに仕事を続けられると仮定して、一時間

働いて一単位の結果を生産する。

それに対してマネージャーは、うまくデリゲーションできれば同じ1時間の

労力で10単位、50単位、あるいは100単位の結果を生産できる。

マネジメントとは基本的に、テコの支点をずらすことだ。

つまり、効果的なマネジメントの鍵を握っているのは、デリゲーションなの

である。

 

使い走りのデリゲーション

 

デリゲーションには基本的に二種類ある。

使い走りのデリゲーションと全面的なデリゲーションである。

使い走りのデリゲーションは、「これを取ってこい、あれを取ってこい、

これをやれ、あれもしろ、終わったら私を呼べ」というやり方だ。

スタッフのほとんどは、使い走りのデリゲーションのパラダイムで仕事を

している。

 

全面的なデリゲーション

 

全面的なデリゲーションは、手段ではなく結果を重視する。

手段は自由に選ばせ、結果に責任を持たせる。

全面的なデリゲーションを行うには、次の五つを明確にし、何が期待されて

いるのかをお互いに理解し、納得しなければならない。

 

・  望む成果

何を達成しなければならないかをお互いにはっきりと理解する。

何を達成するかであって、どうやって達成するかではない。

手段ではなく結果について、時間をかけて納得するまで活かし合う。

望む結果をお互いに思い描く。

相手がその結果をイメージし、明確にできるように、成果がどのように

見えるか具体的な文章で表現し、いつまでに成し遂げる必要があるのか

期限も決めておく。

 

・  ガイドライン

守るべき基準やルールがあれば、明確にしておく。

 

・  リソース

望む結果を達成するために使える基準を定め、仕事の進捗の報告を求める

時期、評価を行う時期を具体的に決めておく。

 

・  評価の結果

評価の結果として、良いことも悪いことも具体的に話しておく。

信頼ほど人にやる気を起こさせるものはない。

信頼されていると思えば、人は自分の最高の力を発揮する。

だが、それには時間と忍耐が要る。

信頼に応じられるレベルまで能力を引き上げる訓練も必要だ。

効果的なデリケーションは、恐らく効果的なマネジメントのもっとも

適切な先行指標となる。

それは、個人及び組織の成長に欠かすことのできない基礎となるのだ。

 

 

この続きは、次回に。

 

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