お問い合せ

完訳 7つの習慣-人格の回復-37

信頼口座

 

人と人の関係で生まれる信頼を貯えておくことを銀行の口座にたとえて、

信頼口座と呼ぶことにしよう。

それは、人間関係における安心感である。

たとえば私があなたに対して礼儀正しく接し、親切にし、約束を守れば信頼口座の残高が増える。

残高が多くなるほど、あなたは私を信頼してくれるから、私は必要なときに

いつでも、あなたの信頼を頼ることができる。

何か失敗しても、私に対するあなたの信頼のレベルが高ければ、つまり信頼

残高が多ければ、それを引き出して補うことができる。

しかし、私があなたに日頃から無礼をはたらいたり、見下したり、あなたの

話の途中で口を挟んだり、あなたの行動に過剰反応して騒ぎ立てたり、無視

したり、気まぐれな態度をとったり、あなたの信頼を裏切ったり、おどした

り、あなたの生活を私の意のままにしようとしたりすれば、信頼のレベルは

下がる一方であり、そのうち私の信頼口座は残高不足になってしまう。

そしてあなたとの関係に融通がきかなくなる。

人間関係において応急処置は幻想にすぎないことを肝に銘じてほしい。

人間関係は、築くにも修復するにも、時間がかかる。

くどいようだが、人間関係に応急処置は効かない。

関係を築くこと、修復することは、長い時間をかけて人間関係に投資することなのである。

 

主な六つの預け入れ

 

ここで、信頼口座の残高を増やす六つの預け入れを紹介しよう。

 

相手を理解する

私たちは、自分の体験や考え方から、相手はこういうことを望んでいるのだと

勝手に判断する傾向にある。

「何事でも人々からしてほしいと望むことは、人々にもそのとおりにせよ」

(『マタイによる福音響』七章十二節)という黄金律がある。

文言をそのまま解釈すれば、自分が他の人からしてもらいたいと思うことを

他の人にしてあげる、という意味だが、もっと掘り下げて考えてみると、

この黄金律の本質が見えてくる。

自分がこう理解してほしいと思うように相手を一人の人間として深く理解し、

その理解に従って相手に接する、ということではないだろうか。

素晴らしい親子関係を築いているある人物は、「一人ひとりの子どもに対して

それぞれ違う接し方をしてこそ、公平に接していることになる」と話していた。

 

小さなことを気遣う

 

ちょっとした親切や気配りはとても大切だ。

ほんの少しの思いやりが足りなかったり礼儀を欠いたりしただけで、大きな

引き出しとなってしまう。

人間関係では、小さなことが大きな意味を持つのである。

 

約束を守る

 

約束を守ることは、大きな預け入れになる。

逆に約束を破れば、大きな引き出しになる。

相手にとって大切なことを約束しておきながら、それを守らないことほど

信頼を裏切る行為はない。

 

 

この続きは、次回に。

 

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