知識ゼロからのイノベーション入門-フェイスブック②
第3話 初めに強い敵に勝つ。優位を確立する近道。
・ 調査は拡大の大切な地ならし
開発者ザッカーバーグは、立ち上げた当初から、フェイスブックを他大学に広めることは想定していた。
ザッカーバーグのルームメイト、ダスティン・モスコヴィッツに大学の開発担当を頼んだ。
時間のかかる作業を粘り強く成し遂げフェイスブックの拡大に大きな役割を果たす。
・ 最初に勝てば後は容易に勝てる
ザッカーバーグはフェイスブックを公開する大学を、すでに独自のソーシャルネットワークがある
名門校という基準で3校選んだ。
「そうした大学で競争相手を押しのけてユーザーを獲得できれば、他の場所では、
はるかに容易に勝てると考えた」からである。
フェイスブックを公開する大学3校を選ぶ—スタンフォード大学には「クラブネクサス」、
コロンビア大学には「CUコミュニティー」、イェール大学には「イェールステーション」。
フェイスブックがすべてに勝利!
スタートから1ヶ月半でユーザー数は2万人に達する!
第4話 イノベーションには「取り去る」ことも含まれる。
・ 役に立ちすぎるのはかえってダメ
最近こそ機能の簡素化が言われるが、かつては機能を盛り込みすぎる企業が多かった。
それはネットの世界でも同じだ。
ハーバード大学では2003年9月にアーロン・グリーンスパンが「ハウスシステム」という
ソーシャルネットワークを立ち上げている。
講義の批評、本の売買、写真をアップできる「ユニバーサル・フェイスブック」など
多機能だったが、ユーザーは少なかった。
フェイスブックを立ち上げる前、ザッカーバーグはグリーンスパンに会い、新しいプロジェクトへの
参加を持ちかけている。
グリーンスパンは逆に、ザッカーバーグのプロジェクトをハウスシステムの機能の1つとして
取り入れようかと提案した。
ザッカーバーグは、「ハウスシステムは役に立ちすぎる」と言って断っている。
・ 難しいのは機能を絞ること
ザッカーバーグはこう考えた。
「難しいのは機能を追加することじゃない。どんな機能をつけないかなんだ」
ザッカーバーグは「ぶざまで膨れ上がったプログラム」が嫌いだった。
シンプルで使いやすいソフトが好みだった。
フェイスブックも機能は最小限で「使い方は自分たちで工夫してくれればいい」と考えていた。
そのシンプルさが成功の要因だった。
ハウスシステムは「やたらでかいシステムで、ほぼ何でもできた」のが敗因だった。
両方をよく知る人サム・レッシンは、そう分析している。
ハウスシステム—-やたらでかいシステム、ほぼ何でもできた。
フェイスブック—-極度に簡素、機能は最小限。
この続きは、次回に。