認知症予防学 3
▶️認知症の進行速度には個人差があり、一定しません
認知症には「脳がうまく機能しなくなって起こる症状の集まり」ですが、どのくらい低下したら
認知症と診断すべきなのか、はっきりした基準があるわけではありません。
大まかにいって次の3つのポイントが初期より出現する障害です。
① ものを覚える能力があるか、という「記銘力、記憶力の障害」。
② 今日が何日か、ここはどこか、いっしょにいる人は誰か、という見当が
つかなくなった「見当識の障害」。
③ 暗算でごく簡単な計算ができるかどうか、という「計算力の障害」。
これらの障害によって、日常生活や社会生活に支障をきたすようになったとき、
「認知症」と判定されます。さらに、患者本人ではこうした症状の自覚に乏しく、
能力の回復ができないまま、進行性の悪化がみられます。
そして、異常に行動や感情、妄想・幻覚などの特有の諸症状をともなうこともあります。
家族をはじめ周囲の方々がこれらの症状出現に気づいたときには、すなわち、
認知症の症状が顕著に現れてから、あわてて医師に相談しても、そのときはすでに
相当進行していることが多いのです。
軽度の認知症から重度の認知症に移行するまでの時間的経過は、一般的には数年から
4〜5年の間です。ほうっておけばどんどん進みますが、認知症がどのように始まって、
進行するのかはそれぞれ個人差があり、一定しません。
認知症のシグナル、重度のシグナル
▶️認知症の予防も早期発見が大切です
「軽度の認知症のシグナル」と、「重度の認知症のシグナル」について、いくつか
具体例をあげておきましょう。
軽度の認知症のシグナル
認知症の「初・初期」といわれる症状です
▶️表情が虚ろ、動作の緩慢が目立ちます。
▶️日付けがわからなくなります。
▶️身だしなみに無頓着になり、季節に応じて衣服が選べなくなります。
▶️風呂、電気、ガスなどの消し忘れが多発します。
▶️料理ができず、味付けが変になります。
▶️薬の量、回数など、きちんと飲めなくなってきます。
▶️昨日のことを忘れてしまいます。
▶️簡単な計算ができなくなります。
▶️物をしまっておいた場所を忘れてしまいます。
この続きは、次回に。