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読めば納得! 認知症予防 脳を守るライフスタイルの秘訣①

今回は、

「読めば納得! 認知症予防 脳を守るライフスタイルの秘密         山口 晴保:著 協同医書出版社」をご紹介いたします。

 

まえがき

「認知症予防とは?」を理解する前に、まずは「老化」について考えてみましょう。

足取りが悪くなり廊下でつまずくようになると、年をとったと感じますね。

これを「老化現象」といいます。

この老化を防ごうというので、「老化防止」という言葉が使われます。

ヒトは生まれたときから老化が始まっているわけです。

20歳までは成長期で、30歳以降はいろいろな機能が低下し始めます。

そして、毎年確実に1歳ずつ年齢が増えていきます。ですから、老化防止とは、

老化を止めることではなく、老化のスピードを緩めるということになります。

認知症予防も、「⚪⚪をやったらボケない」という方法は残念ながらありません。

あくまでも、発症へ至るスピードを遅くする、発症年齢を遅らせるという意味での認知症予防です。

いわば、「いつかは誰でも認知症」になるので、認知症になるのを先送りすることが認知症予防なのです。

人生、どのように生き、どのように老い、どのように死ぬかが大切です。

本書では、単に長生きすることを目的とするのではなく、健康な脳と心、そして身体を備え、

高齢期を豊かに生き生きと過ごす術を伝えたいと思います。

 

第1章       はじめに本書を正しく活用するため

 

1.認知症とは

 

認知症(痴呆)は、脳の老化が元で生じる脳の病気です。

大脳は、目・耳・鼻・口・手足などから脳に入ってくる情報を分析し、判断し、

それに対応する行動を生み出す機能(認知機能)を担当しています。

この大脳が壊れて認知障害を生じ、社会的活力(または生活管理能力)が失われた状態が

認知症です。

認知症の原因は5〜6割ほどはアルツハイマー病で、1〜2割ぐらいが脳血管性認知症ですが、

この二つを予防すれば認知症の7割近くをカバーできます。

レビー小体型など他の認知症を引き起こす病気の予防策は、残念ながらまだ打ち出されていません。

しかし、これらの病気も「脳老化」が最大の危険因子です。

したがって、アルツハイマー病を防ぐ方法、すなわち「脳老化」を防ぐ方法は、

認知症全般の予防に有効なはずです。

85歳以上の方の四人に一人が認知症です。

女性の平均寿命は85歳に達しました。

今後さらに寿命は延びると、認知症はますます増えます。

 

Step Up!

1.「認知」って何だろう!

 

認知機能が全般的に壊れた状態が認知症です。

アルツハイマー病を中心とする認知症の初期では、認知障害の一つである記憶障害が中心になります。

 

認知症の具体例

 

認知症の中核症状(認知障害)と行動・心理症状(BPSD)

 

認知症では、神経ネットワークが壊れて、具体例に示したように、記憶障害、時間や場所、

人物などの状況がわからなくなる。

見当識障害、調理の段取りがうまくできない実行機能障害など種々の認知障害が出現しますが、

これらは中核症状と呼ばれます。

周囲の関わりやその人の生い立ち、職歴、性格などが影響して出現する症状を行動、

心理症状(behavioral and psychological symptoms of dementia :BPSD)、または周辺症状といいます。

認知症の症状は、脳病変だけで決まるわけではありません。

 

 

この続きは、次回に。

 

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