成功の要諦 -15
思いが人生をつくっている
生物の世界でも物理化学の世界でも、すべてがこの法則で成り立っています。
お釈迦様は悟りを開かれた目でこの世界を見て、「宇宙の真理とは、森羅万象すべてがもとの
原因があって、原因は縁によって結果を生んでいくのだ」と説いているのです。
これは、我々の人生にもあてはまる考え方です。
私たちは現世で、いろいろな生活をし、いろいろな生き方をしています。
この我々が現世で生きているというのは結果です。
そうした結果にはもともとの原因があって、その原因が縁に触れて我々は現在の生活をしているわけです。
では、この現世で人間がつくる原因の最初にあるものは何かといえば、それは人間の思いです。
我々は自分の心に思ったことを実行するのであって、心に思わないことは実行しません。
思ったことをすべて実行するわけではありませんが、我々がやっていることはすべて心に
芽生えたことです。だから、思うことが原因ですし、思いを実行したこともまた原因となるわけです。
その思いと行動の結果として、今、我々が生きている人生があるのです。
よい因をつくればよい結果が生まれる
現世で暮らしています我々の環境には、家庭、会社などがあります。
それらは我々が前世でつくった原因、そして現世に生まれてきてつくった原因の結果です。
そうしてつくった原因が縁に触れて、この現世のいろいろな関係の中で結果を生んだものが現在の我々の生活です。
そう考えれば、いまにも潰れそうな中小零細企業であっても一所懸命に働き、善きことに
努めれば、従業員が安心して働けるようないい会社にしていけるのではないかと思いましたし、
また実際に、そういう生き方をしはじめました。
この続きは、次回に。
創業時の五つの誓い
二十七歳で会社を設立した当初において、私は人のため世のために尽くすことを目的にしようと宣言していたのです。なんとかよい種を蒔きながらよい結果が得られるような生き方をしていきたいと思い、それにはまず善き思いを心に抱くことが大事だと思ったからでした。
それと同時に、私は自分の思いを五つの誓いとして立てました。
一番目には、常に感謝の心を忘れないようにしていこうということ。
二番目には、優しい美しい思いやりの心を忘れないようにしていこう。
お釈迦様が説かれる慈悲の心を忘れないようにしていこうということ。
三番目には、せっかく会社をつくっていただいたのだから、一所懸命努力をし、一所懸命働こう。誰にも負けない努力をしようと考えました。
四番目は、会社を経営していく上ではいろいろ困難な出来事があるだろうけれども、忍耐の心を持って、それを耐え忍ぼうと考えました。
五番目には、人間としてやってはいけない悪いことは決してやるまい。
子ども心に両親や小学校の先生から教わったプリミティブな道徳心、倫理観を守っていこうと思いました。
この五つが私にとっていの善き思いです。これらの善き思いを常に自分の心に抱きながら、それを実行していこうと誓ったのです。