認知症にならないための 決定的予防法②
序文
アルツハイマー病がたいていの人では予防が可能であり、遺伝的素因がある人でも発症を
遅らせられるのを知っているからです。
私は脳の健康だけではなく、体と精神の健康にも関心をもっています。
現在の自分を大切にすることが、いかに残りの人生で脳をすこやかに保ち、自立した生活を
送ることにつながるかを示したいと思います。
脳への脅威となり、早くから脳を老化させる有害な行動(危険因子)を認識してもらい、
そうした行動をどうすれば変えられるか気づいていただきたいのです。
アルツハイマー病になる確率を減らすために実践できる四つのステップ、つまり食生活の改善、
運動、脳の活性化、およびリラクセーション療法を、みなさんに学んでいただきたいのです。
幸いなことに、今日、65歳になるアメリカ人の多くは、あと20年の平均余命があります。
2050年には、65歳の人の40%が90歳まで生きるようになると推定されます。
ところが、ここに厄介な問題があります。
認知機能の低下は早くも24歳には始まり、アルツハイマーに関連した脳の病的変化は、この病気の
兆候が最初に見えるより30年以上も前から始まっている可能性があるのです。
脳に老人斑を蓄積させる(これがアルツハイマー病のいちばんの特徴)ベータアミロイド・
ペプチドの値が高くなることも、その一つです。
脳の能力が最高値に達しているときに、私たちは脳を急速に衰えさせる原因をつくっているのかも
しれません。
65歳未満の人がアルツハイマーを発症するケースは、驚くほどの割合で増えているのです。
現在のアメリカでは、85歳以上の人の50%はアルツハイマー病をわずらっており、しかも男性よりも
女性のほうが二倍多く見られます。
健全な精神をもはや保てないのであれば、寿命が延びたところで何になるのでしょうか?
アルツハイマーと診断された人の70%が実際にそうであるように、晩年を老人福祉施設で一人きりで、
忘れられて過ごすのであれば?
そこで食生活、運動、頭のエアロビクス、および休息とリラクセーションの四つのステップからなる、
私のプログラムが役に立ち始めます。
アルツハイマー病を中心とした<脳の老化を食い止める>ために、神経内科医によって開発され、
化学的に立証された、多方面にまたがる初めてのゲームプランです。
アルツハイマー病のこの急激な増加は、われわれが座りがちで、ファーストフードに頼る、
めちゃくちゃなライフスタイルをつづけてきた必然的な結果だと、私は確信しています。
私が本書を執筆したのは、今日から、自分の健康を管理する四つのステップを実践すれば、
この先の長い年月を、アルツハイマーに冒されることのない健康な脳で過ごすうえで役立つことを
示すためです。
本書を通じて、私はアルツハイマー病を発症する可能性を増す特定の危険因子に気づいていただき、
これらの危険因子を抑える、または減らす方法をお教えします。危険因子を変えるよう努力すれば、
アルツハイマー病になる可能性を確実に減らせることを、私は知っています。
たとえ高齢になっても、アルツハイマーの家族歴があってもです。
2007年10月15日 ヴィンセント・フォーテネイス
この続きは、次回に。