認知症にならないための 決定的予防法④
本書はどのように役に立つか
私は次のような構成で、それを成しとげようと思います。
第1部 <アルツハイマー病を理解する>
1章 <将来あなたはアルツハイマーになるのだろうか?>
2章 <アルツハイマー病—発症する可能性は?>
3章 <実脳年齢を測る。
第2部から7章では、アルツハイマーを防ぐ4ステップの処方箋を始めます。
ステップ1 <アルツハイマー予防食>
ステップ2 <筋力強化>
ステップ3 <脳の強化>
ステップ4 <休息と回復>
第3部 <アルツハイマー病の診断、治療、そして将来>
8章 <アルツハイマーかどうかの診断>
9章 <最新の投薬治療>
アルツハイマー病とはどのようなものか?
認知症は記憶障害を特徴とする病気です。
慢性的な認知症をわずらう高齢者の多く(60から80%)はアルツハイマー病ですが、
それ以外にも血管性認知症、レヴィー小体型認知症、パーキンソン病による認知症、
アルコール性認知症があり、さらにうつ病の誤診や薬物の副作用による回復可能な認知症すら
存在します。
1 実行機能(計画、順序づけ、調整、予期、および報酬の遅れの受容)、記憶、注意力、
知能、言語—認知力に影響する変化。
2 無関心、怒り、錯覚、幻覚、妄想といった心理面や振る舞いに影響をおよぼす変化。
3 車の危険な運転、火の不始末、失禁、歩行の自動的記憶の喪(失行症)によるよろめきや転倒など、
日常の活動に影響する変化。
軽度認知機能障害(MCI)
自然の老化と認知症を分ける実際的な違いは、老化した脳にはまだ自立した生活を送る能力が
あることです。
認知症になった脳では、どんなに努力してもそれはかないません。
老化した脳は現実を認識していますが、認知症の脳はどんどん現実との差がわからなくなります。
最近の研究によって、通常の認知機能の低下からアルツハイマーへの移行状態が見極められるように
なりました。
われわれはこうした移行状態を、軽度認知機能障害(MCI)と呼んでいます。
MCIの基準を満たす人は、年間17%から20%の割合でアルツハイマーを発症することが研究から
予測されています。
この続きは、次回に。