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認知症にならないための 決定的予防法⑨

内因性の危険因子加齢

 

加齢とアルツハイマー病についてわかること

 

あらゆる危険因子のうち、加齢はアルツハイマー病の最も強力な決定要因です。

アルツハイマー病の有病率は60歳から65歳までは約1%ですが、75歳から80歳では一気に33%に

増加します。さらに85歳になると、アルツハイマー病の有病率は50%にまで急増します。

アルツハイマーには女性のほうが男性よりもなりやすく、年齢差を考慮してもそれは変わりません。

新たな研究が重ねられても、アルツハイマーの患者数は年齢とともに急激に増大し、85歳までくると

横ばいになることを、研究者らは確認しています。

そうなる理由としては、遺伝的にアルツハイマーになりやすい人は、85歳までにすでに

発症しているからかもしれません。

 

加齢の理論

 

人はなぜ老いるのかを説明する理論はたくさんあります。

その理由は、フリーラジカル(活性酸素の一つ)によって体のタンパク質が退化するというものから、

細胞に有毒な老廃物がたまる、遺伝子が変異する、自己免疫反応(炎症や、体が体そのものに

アレルギー反応を起こすこと)まて、多岐にわたります。

これ以外にも老化はストレスにたいする進行的な反応だと考える見方など、いくつもの理論があります。

さらに、老化は代謝率が変わった結果だとか、神経系が徐々に劣化していくことだとする理論もあります。

実際には、老化の原因は、最も優秀な科学者にとっても謎でありつづけています。

 

テロメラーゼと老化

 

ストレスが加齢におよぼす影響に注目するなかで、慢性ストレスがうつ病、糖尿病、

認知機能障害などの病気につながることが、神経科学から判明しています。

なぜでしょうか?

度重なるストレスによってテロメア[末端小粒]が短くなり、テロメラーゼ(ギリシャ語で「末端」を

意味するテレから)の活動が減るのではないかと科学者は考えています。

 

アルツハイマーを防ぐには

 

年をとると、タンパク同化ホルモンと異化ホルモンのバランスが崩れます。

このホルモンの不均衡が加齢に関係する多くの精神疾患や内科疾患の原因になっていると、

いまでは考えられています。

ホルモンのパターンがわずかに変化するだけで、年月とともに病理学的影響がでてくるのです。

例をあげると、ストレスホルモンのコルチゾールは、除脂肪体重(LBM)や骨密度を減らし、

体脂肪分布を変えるため、結果として骨粗鬆症や骨折、メタボリック・シンドローム、2型糖尿病、

うつ病、それにアルツハイマー病を引き起こします。適切な食習慣や運動、精神的活動、

社会的なつながり、リラクセーションなどが慢性ストレスを緩和し、コルチゾールのレベルを下げます。

コルチゾールと老化、およびアルツハイマー病の関連については、あとで詳しくご説明します。

 

 

この続きは、次回に。

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