認知症にならないための 決定的予防法⑮
外因性の危険因子—座りがちな生活
座りがちな生活とアルツハイマー病についてわかっていること
運動不足は食べ過ぎによる悪影響を助長します。
アメリカの保健社会福祉省によると、18歳以上の人は、健康状態を保つためには少なくとも
30分間の体を動かす活動が1週間のうち5日以上、必要になります。
子供や十代の若者は、健康でいるためには1日60分間の運動が必要です。
最近の研究から、アメリカでは毎日かならず一度に30分間の運動をおこなっている子供が、
30%しかいないことが判明しています。
子供たちの運動不足は、国民の健康を改善するために、すべての大人—親や祖父母—
が真剣に考えなければならない重大な問題なのです。
定期的な運動は、ストレスの度合いを下げることにも役立ちます。
運動によって除脂肪体重も増えます。引き締まった筋肉は休息時にも9キロカロリーから
15キロカロリーを燃焼しますが、脂肪は休息時には2キロカロリーしか燃焼しません。
運動すると、余分なグルコースが体から除かれ、とくに食後の血糖値が減るので、グルコースが
インスリンによって脂肪に変わることがなくなります。
このため、食後の血糖値が高いときに運動するのが効果的なのです。
運動はインスリンを抑えることで、直接的な影響力をおよぼします。
運動はレプチンとグレリン(どちらも食欲や代謝を調節するペプチドホルモン)にじかに影響を与え、
代謝は高めつつ、食欲を減らす役割をはたします。
アルツハイマーを防ぐには
1週間に少なくとも3回は有酸素の適度な運動を30分間おこない、可能であれば毎日それを
繰り返すことをお勧めします。
運動すればウエストのサイズもボディマス指数も減るのです。
運動することによってコルチゾールの値も減り、ヒト成長ホルモンの分泌は盛んになります。
これは神経の成長や樹状突起およびシナプスを健全に保つためには欠かせません。
これは記憶を想起し、ニューロンにその記憶をたくわえるうえで重要なものです。
この続きは、次回に。