認知症にならないための 決定的予防法㉚
アルツハイマーを防ぐには
もしあなたが中年以降の男性か、閉経後の女性であれば、一週間に少なくとも二日は次の魚料理を食べて、
体内の炎症を抑えるのに必要なオメガ3脂肪酸の摂取量を増やすことをお勧めします。
環境汚染物質によってもたらされる悪影響を最小限にするために、以下のリストから毎週、
異なった魚を選んで食べるように心がけてください。
※ [オメガ3脂肪酸に富む魚]の一覧表があります。
是非、購読の上、ご覧ください。
※ 牛肉は控えよう
これまで果物、野菜、および脂質に富んだ魚を食べることについて、いろいろお話ししてきました。
それ以外の食品はどうなのでしようか?
栄養分と健康状態において対極に位置するものを見ると、コレステロールと脂肪酸の多い食事は、
実際にアルツハイマー病のリスクを高めるかもしれないことがわかりました。
多数の研究において、飽和脂肪酸やトランス脂肪酸やコレステロールの摂取量が多かった人びとについて、
認知機能の低下とアルツハイマーのあいだに明確な関連が見つかっています。
食生活では牛肉を控え、野菜、リーンタンパク質、低脂肪の乳製品、および魚を多くとることを
目指してください。
どうしても肉を食べなければならないのであれば、バイソン(食肉用に飼育されたアメリカ・
バイソン)の牛肉、脂肪酸の少ない豚肉、皮なしの家禽の肉が良いでしょう。
葉酸は認知機能を改善
葉酸を含むビタミンBのサプリメントがアミノ酸ホモシステインの値を下げ、それによって
心臓血管疾患のリスクが下がることを、いくつかの新しい研究が示している旨を2章で論じました。
アミノ酸ホモシステインは、動脈の内層を傷つけていると考えられています。
ホモシステインの値が高いことが、認知機能の低下と関連している可能性にしばらく前から
気づいていた研究者たちは、ホモシステイン値を葉酸で下げれば、アルツハイマーの発症も
減らせるという理論を立てました。
それどころか、認知機能を向上させられるかもしれないのです。
<葉酸と頸動脈内膜中膜肥厚>(FACIT)試験の一環で、プラセボ[対象剤にした偽薬]を投与された
人々より、1日に葉酸サプリメントを800μg(マイクログラム)摂取していた被験者のほうが、
記憶と感覚運動速度がいちじるしく向上していたことがわかりました。
葉酸サプリメントを摂取するグループは、プラセボ投与のグループよりも格段に良好でした。
研究結果はまた、葉酸を摂取した被験者では、葉酸濃度を摂取した被験者では、葉酸濃度が
576%上昇しており、血漿総ホモシステイン濃度は26%減少していると結論づけています。
ホモシステイン値の高さは海馬—記憶を形成するうえで重要な脳の領域—の損傷とも
関連していることに気づいた研究者たちは、葉酸が記憶と感覚運動速度に同時に影響を
与えているかもしれないと示唆しました。
被験者も研究者もこの試験内容については知らされていなかったので、認知機能テストの結果は、
無視しがたいものがあります。
被験者が次のように結果を示していたとすれば、なおさらです。
1 記憶力では4.7歳若い。
2 感覚運動速度では1.7歳若い。
3 情報処理速度では2.1歳若い。
4 全般的認知機能では1.5歳若い。
この続きは、次回に。