認知症にならないための 決定的予防法㊴
<運動の効果>
・ 運動すると、脳はより大きく、若く、よくなります!
・ 運動はストレス、不安、うつ状態を軽減し、気分を盛り立てるうえで役立ちます。
・ 運動は神経伝達物質の生成を促し、頭の回転をよくし、精神を鋭敏に、
かつ生産的な状態に保ちます。
・ 運動は体の代謝率と筋肉量を増やし、引き締まって堅固かつ強靭な体を保ちます。
ホルモンの均衡と不均衡
老化する脳に運動がおよぼす影響をしっかり把握するためには、体内のさまざまなホルモンと、
それらが記憶、筋肉量、体重にどう影響するかを理解することが大切です。
体内で生成される化学メッセンジャーであるホルモンは、甲状腺、脳下垂体、副腎、膵臓、
性腺など、さまざまな内分泌腺から血流に分泌されます。ホルモンのシステムが体全体の
機能を支えているのです。
いずれかのホルモンが多すぎる—または少なすぎる—-量で放出されると、
心身のあらゆる部位が不調になり、苦痛が生じ、それが病気にまでいたります。
たとえば、甲状腺ホルモンが少な過ぎれば、極端に肥満になってうつ状態になり、
頭の動きも鈍くなり、認知症にまで発展しうるのです。
甲状腺ホルモンが多過ぎれば、やせ細って躁状態になり、不眠症に悩まされるようになります。
同化ホルモン
同化ホルモンには、甲状腺ホルモン、テストステロン、エストロゲン、ヒト成長ホルモン様
成長因子(IGF)が含まれます。
同化ホルモンは体のためになるもの—-害になるのではなく—であることを、覚えていてください。
同化ホルモンは除脂肪体重や骨密度を増やし、脂肪の蓄積量を減らします。
結果として、代謝率が上がり、体重は減り、筋力や耐久力がつき、そのため魅力も
増すことになります。
同化ホルモンはまた、インスリン・ホルモンを減らし、免疫システムを活気づけ、
炎症を減らします。
これは重要な点です。なにしろ、近年の研究結果から、C反応性タンパク(80ページ参照)の
ような炎症促進性のマーカーが、アルツハイマー病の発症にかかわっていることが
示されているからです。
運動によって体の神経化学的な均衡がとり戻され、心の状態が前向きになることが
研究からわかっています。
この続きは、次回に。