認知症にならないための 決定的予防法-79
◉ 足の振動覚を調べる。
この検査では、医師は音叉を使って患者の膝と足の親指の振動反射を調べます。
振動覚は足にある圧覚のシステムの一部であり、体重がつま先にかかっているのか、
踵にかかっているのかを教えます。
これは脳幹で平衡を保つジャイロスコープの役目をはたしている部分が必要とする情報です。
ジャイロスコープにこの情報がなければ、私たちはまっすぐに立つことができません。
たとえば、明かりが消えれば、視力を使って平衡を保つことができないので、この感覚が
バランスを保つのを助けてくれます。
お年寄りが夜間に、あるいは整地されていない場所で転ぶのは、それがおもな理由です。
◉ バビンスキー反射が見られるかどうか、足裏を引っかいて検査する。
バビンスキー反射は、二歳未満の子供ではよく見られる幼児期の反応の一つですが、
子供が成長して、神経系が発達するにつれてこの反射は消えます。
二歳以上の子供で、バビンスキー反射が見られる場合、骨髄と脳を結ぶ神経経路(皮質骨髄路)が
損傷していることを示しています。
◉ ルーティング反射、吸綴反射、および手掌おとがい反射の検査。
1章で述べたように、アルツハイマーに関するこれらの検査は、通常は新生児に見られる反射を
引きだします。新生児が鼻で探し、乳を吸い、目をかばい、口に食べ物を運んだりするのを
助ける反射です。別の検査である把握反射は、一般には重度のアルツハイマー患者に再び見られます。
把握反射はよく凶暴性や頑固さの兆候として誤解されます。
アルツハイマー患者はいったん人の手や腕をつかむと、別のものに気がそらされて、
しがみつけるようになるまで、その手を離そうとしません。
・ 必須の臨床検査
記憶障害の可能性があるならば、医師は正確な診断を下し、問題に対処するために特定の
臨床検査を指示しなければなりません。
医師を信頼して、自分の症状に最も合った一連の検査を実施してもらい、それ以外の健康問題が
ないかどうか確かめてもらいましょう。
そうすることによって診断にはほとんど役に立たず、ただ検査の回数と費用を増すだけの余分な
検査を受けるのを避けられます。
□ 完全血球算定(CBC)
□ C反応性タンパク
□ ホモシスティン
□ ビタミンB12
□ 葉酸
□ 完全代謝パネル
この続きは、次回に。