認知症はもう怖くない ③
認知症にはいくつかのタイプがある
じつは,認知症というのは病名ではありません。
単なる症状です。その意味では頭痛や腹痛と同じものなのです。
認知症は大きく二つのタイプに部類されます。
一つは、異常なタンパク質(ゴミ)が脳の中に溜まって引き起こされる神経変性疾患の認知症です。
このタイプには、アルツハイマー型認知症、レビー小体型認知症などがあります。
もう一つは、脳血管障害によって引き起こされる血管性認知症です。
脳血管障害(昔は「脳卒中」と言われていました)とは、脳梗塞(脳の血管が詰まって血液が遮断される)と
脳内出血(脳の血管が破れて血液が脳内へ流出する)の二つの病態を合わせたものです。
このタイプには、多発性脳梗塞(ラクナ梗塞)、ビンスワンガー病(広汎白質梗塞)などがあります。
以下、両タイプの代表的なものを紹介していきましょう。
◾️ アルツハイマー型認知症(アルツハイマー病)
◾️ レビー小体型認知症
◾️ 前頭側頭型認知症(ピック病)
◾️ クロイツフェルト・ヤコブ病
◾️ 進行性核上性麻痺
◾️ 歯状核赤核淡蒼球ルイ体委縮症
◾️ ハンチントン病
◾️ 多発性脳梗塞
◾️ ビンスワンガー病(広汎白質梗塞)
◾️ 代謝性疾患/ウイルス感染症
◾️ 手術で治療可能な認知症
※ 上記の詳細説明は、省略致します。
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一度死んだ脳神経細胞は生き返らない
脳神経細胞は他の細胞と異なり再生しません。
つまり、一度傷ついたり死滅した脳神経細胞は、決して元には戻らないのです。
脳神経細胞の数は生まれたときに決まっていて、加齢とともにどんどん減り、数の低下(脳神経細胞死)に
ともなって認知機能は低下します。
脳神経細胞が死んでいくスピードは人によって異なりますが、スピードが速い人は認知症に
なりやすいといえます。さらに、脳内出血や脳梗塞などが起こると、その部分の脳神経細胞は死に絶え、
認知症になる確率がより高くなります。
繰り返しますが、一度死んだ脳神経細胞は生き返りません。
このことが「認知症は治らない」という定説となっている理由です。
この続きは、次回に。