池上 彰のやさしい経済学2 ニュースがわかる ⑫
山積みの不良債権をどうしたか
このときにみんながどうしたかというと、先送りをしたんです。
※ 省略致しますので、購読にてお願いします。
1997年11月、次々と金融機関が破綻した
1997年11月、まず三洋証券という大手の証券会社が倒産し、同じ11月、北海道拓殖銀行が倒産します。
さらに同じく11月、証券最大手の山一証券が破綻します。仙台の徳陽シティ銀行という地方銀行も
破綻します。11月という1カ月間で大手の証券会社2社、大手の銀行と地方銀行2社、計4社があっと
いう間に倒産してしまったのです。
こうして日本中のお金の流れが止まり、あれよあれよという間に日本経済は行き詰ってしまいました。
経済を人間の体にたとえると、お金の流れは血液の流れのようなものです。
お金の流れが全部止まってしまうわけですから、経済は大打撃を受けます。
消費が止まる、突然銀行が潰れてしまう、銀行からお金を借りることができなくなる、株を買っていた
人たちが株を売り払う。その結果、日経平均株価が大暴落していきます。
日経平均株価が大暴落してデフレが始まった
89年末には株価は3万8915円まで上がりました。さあ来年は4万円を超えるぞ、5万円になるぞと
言われていました。ところがここがピークだったんですね。
ところがここがピークだったんですね、どーんと下がって、そこからまたちょっと下がった、
そこで下げ止まったと思ったらまた下がった。
どこまで下がるかわからないとみんなが不安になって、また下がる。
これがバブルの崩壊でした。株価がどんどん上がっていったのがバブル。
その絶頂期にバブルがはじけて崩壊した。
そして日本はデフレに突入し、長い低迷期をさまようことになるのです。
[補足講義] 世界のバブル—オランダのチューリップバブル
なぜバブルは30年ごとに起こる?
30年経つと世代が変わっているから。
こういう言葉があります。「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」。
愚かな人は自分の経験からしか学ばないけれど、賢い人は歴史から学ぶのだということです。
そういう意味で、歴史を学ぶ、あるいは経済学を学ぶというのは大事なことなのだと思います。
Q 復習問題 3
第1問 プラザ合意は円安ドル高を目指すことで合意した。
× ドル高是正のための合意
第2問 ブラックマンデーは、日本やドイツの金利引き上げを予測して発生した。
◯ 予測した世界の投資家が、一斉に株を売った。
第3問 資産を持てるようになろうと努力することを、資産効果と言う。
× 土地や株などの価値が高まることによって、消費や投資活動が活発になるのが資産効果。
第4問 バブル期に日本が買った建物は次のうち2である。
1.エンパイヤステートビル
2.ロックフェラーセンタービル
3.トランプタワー
◯ 2の「ロックフェラーセンタービル」
この続きは、次回に。