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ビジネススクールでは学べない世界最先端の経営学 ⑱

経営学ミニ解説 3  知の探索

 

世界最先端のイノベーション研究で最も重視されている理論、それは第5章で紹介した

Exploration(本書では「知の探索」とExploitation(本書では「知の深化」)です。

米スタンフォード大学の経営学者ジェームズ・マーチが1991年に「オーガニゼーション・

サイエンス」に発表して以来、多くの研究が蓄積されてきました。

第6章で述べたように、イノベーションを起こすには、「なるべく自分から離れた遠くの知を

幅広く探し、今自分の持っている知と新しく組み合わせる」ことがその第一歩となります。

これが「知の探索」です。

一方、組み合わせた知が収益性のあるビジネスになりそうなら、当然それは深堀りする

必要があります。これが「知の深化」です。

しかし、組織はどうしても知の深化に傾斜し、探索をなおざりにする傾向があります。

これは短期的には効率性を高めるのですが、その結果、中長期的なイノベーションが枯渇することを

コンピテンシー・トラップと呼ぶと、述べました。

では、知の探索を促してイノベーションを活性化させたり、組織学習を高めたりするには、

具体的にはどのような施策が必要でしょうか。

第5章ではUSAトゥデーの事例を紹介しましたが、ここではより根源的な視点を紹介しましょう。

それは、マーチの1991年論分の研究成果です。

 

※ 省略致しますので、購読にてお願い致します。

 

以下のような発見があったのです。

 

発見1:メンバーが組織の考えを学ぶスピードが遅いほうが、最終的な学習量は増加する。

 

※ 省略致しますので、購読にてお願い致します。

 

発見2:組織の考えを学ぶのが早いメンバーと、遅いメンバーが混在しているほうが、最終的な

          組織全体の学習量は増加する。

 

※ 省略致しますので、購読にてお願い致します。

 

発見3:組織のメンバーは一定の比率で入れ替えがあったほうが、組織の最終的な学習量は増加する。

 

※ 省略致しますので、購読にてお願い致します。

 

発見4:発見3で得られた効果は、特に組織を取り巻く環境の不確実性が高い時に強くなる。

 

※ 省略致しますので、購読にてお願い致します。

 

私は、このマーチの1991年の論文を読むたびにいつも驚嘆させられます。

ダイバーシティの効能や、組織の新陳代謝、不確実性での知の探索の重要性など、

現在のビジネスや経営学にきわめて重要な示唆を、四半世紀も前の論文のシンプルな

コンピュータ・シミュレーションで、マーチは既に示していたのです。

 

 

この続きは、次回に。

 

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