医師いらずで「糖尿病」「高血圧」がみるみる良くなる治療法!⑨
14. カロリー制限食も信頼できるエビデンスは存在しない
効果を実感している人が多いのにもかかわらず、なぜここまで糖質制限を学会が否定しているのか。
学会は極端な方法で危険があることや、信頼できるエビデンスがないことを理由にしています。
ですが、カロリー制限に関しても、長期的な遵守性や安全性のエビデンスがはっきりしている
わけではありません。
アメリカでは、カロリー制限と糖質制限、2つの食事療法においてどちらが優れているのか
長年議論にもなり、現在、『栄養療法に関する声明』(米国糖尿病学会・13年)で「全ての
糖尿病患者に適した唯一無二の治療食は存在しない」と発表しています。
また昨年には、運動をせずにカロリー制限食を実践することにより、骨粗しょう症のリスクが
増加するという論文もアメリカで発表されています。
この論文では特に「中年期の減量は細心の注意を払って行う必要がある」と指摘、安易に
カロリー制限を行うことに対して注意を促しており、カロリー制限食に固執する理論自体も
揺らいできています。
学会も「今後は新しいエビデンスを構築していく」としていますが、今後どのような方針を
打ち立てていくのか、注目したいところです。
15. 糖質制限は本当に「危険」か?
即効性もあり、肉やお酒など食べたいものを食べられることでブームが続いている糖質制限ですが、
専門家の間でも議論がわかれ、危険だという声も多く挙がっています。
危険だという理由は、糖質を制限することで糖のエネルギーが不足し、身体がそれを補うために
自分の筋肉を分解してアミノ酸に変えるので、結果として筋肉量が減ってしまうということからです。
また、糖質制限でカロリーを補う脂質やタンパク質を大量に摂ることで、コレステロールが増加。
その結果、血管がいたんだり、老化が進み、脳梗塞や心筋梗塞のリスクが高まるということも
いわれています。
カロリー制限のある地中海食(男性1800kcal、女性1500kcal)
地中海食とは、穀物をしっかり摂り、野菜や豆、果物などの植物性食品と、オリーブオイルや
チーズ、魚介類を中心とした食事療法のことです。
16. 極端な食事制限は疾患のリスクを高めてしまう
完全に糖質をカットするのではなく、いつもより少なめにすること、そしてある程度カロリーも
考慮した糖質制限を行うことがよしとされているのです。
17. 米国も認めはじめた糖質制限食
米国糖尿病学会では、94年のガイドラインから一律の食事療法を推奨することはなくなり、
2014年「糖尿病の食事療法は個人の嗜好や文化、宗教などの問題によって影響されるので
ひとりひとりが異なって当然」というスタンスで、カロリー制限食や糖質制限食だけではなく、
地中海食やベジタリアン食、低脂質食など様々な食事療法を受容しています。
これは日本の糖尿病学会のスタンスとは全く異なるものです。
日本糖尿病学会は、現在のところカロリー制限食以外の食事療法を認めていません。
カロリー制限食に関しても、効果のある人はもちろんいますが、そうでない人もどうすれば
よいのか、その指針を打ちだしていません。
この続きは、次回に。