シェア < 共有 > からビジネスを生みだす新戦略 ②
✔︎ 集団」や「共有」といった意味合いをもつ古臭いイメージのCワード—協同組合、共同体、
コミューン—が、コラボレーションやコミュニティといった魅力的で価値ある形として再生
しつつある。
この大きなうねりを、私たちは「コラボ消費」と名づけた。
コラボ消費の核となる「コラボレーション」は、地縁による直接のつながりということも
あれば、インターネットを利用して結びつき、協力し、グループをつくり、ヒトやモノを
介して不特定多数によるP2Pの交流がつくりだされる場合もある。
つまり、人々は、再びコミュニティの中でシェアしている—-職場や近隣、アパートや学校、
そしてフェイスブックのネットワークで。
しかも、こうしたシェアやコラボが、以前にはありえなかったやり方や規模で実現されて、
「私のものはあなたのもの」的な文化と経済が生みだされている。
人々は、日々コラボ的消費を実践している—–昔ながらの共有、物々交換、貸し出し、売買、
借り入れ、贈与、そしてスワップは、テクノロジーとP2Pのコミュニティをとおして新たな形に
生まれ変わった。
コラボ消費によって、人々はモノやサービスを所有せずに利用することの莫大なメリットに
気づいただけでなく、同時にお金や空間、時間を節約できることも、新しい友人をつくれる
ことも、活発な市民に戻ることができることにも気がついた。
SNSやスマートグリッド、そしてリアルタイム技術のおかげで、時代にそぐわない過剰消費の
習慣から抜け出して、自転車や自動車のシェアといった共同利用にもとづく革新的なシステムを
つくることが可能になっている。
これらのシステムは、利用効率を上げ、ムダを減らし、より良い商品の開発を促し、過剰生産と
過剰消費によって生まれた余剰を吸収することで、環境に大きく貢献する。
本書では、世界中で起きつつある何千というコラボ消費の事例を、三種類のモデルに分類した—–
それが、プロダクト=サービス・システム、再分配市場、そしてコラボ的ライフスタイルだ。
コラボ消費の事例は、その規模、成熟度、目的においてさまざまなものがあるが、成功事例に
共通する四つの原則—-
クリティカル・マス、
余剰キャパシティ、
共有資源の尊重、
他者への信頼————を本書ではとりあげる。
この続きは、次回に。