お問い合せ

書籍「10年後の自分」を考える技術 ⑦

✔ 「今」何が起きているのか?—「横のつながり」で時代感覚を養う

 

さて、つながり思考力の鍛え方の2つ目は、「今」という時代の潮流を

理解することだ。「時代感覚を養う」と言い換えることもできる。

 

一見まったく関係のなさそうな出来事だが、その背景を探ると、ともに共通する

「時代の変化」によって引き起こされていることが明らかになる。

 

さて、この2つの出来事、国も違えば、起こったこともまったく別々の

ことである。一見関係ないようなものに、それらの背後に共通の原因が

あるのかどうかを探る発想法だ。

 

2つの出来事には、いったいどんな関係があるのだろうか?

その「つながり」を少し考えてみてほしい。

答えはそれほどむずかしくないだろう。

そう、IT(情報技術)、特にインターネットの社会への浸透だ。

 

このように、それぞれの出来事がなぜ起きたのかという原因を探っていくと、

どちらの出来事も、ITの進化と、それによる生活や社会の変化によって

引き起こされたことがわかる。

 

このように、一見無関係に思えるモノゴトに「つながり」を見つけようと

トライすることで、同時期・同時代に起きているモノゴトの背景を探る

ことができ、時代感覚が養えるようになる。

 

私はこれを「横のつながり」と呼んでいる。

 

一見関係ないようなものに関係性を見つけ、それらの背後に共通の原因が

あるのかどうかを探る発想法だ。

 

✔  隠れている「共通原因」を見つけ出そう

 

交通事故の主因のひとつが運転中の飲食だというのは、こうしたファストフードを

運転中に食べたり飲んだりすることから来ているのだ。

 

つながり思考では、こうした目に見えるモノゴトの裏に隠れている「見えない

原因」を分析したり、想像したりする力が重要となる。

 

要するに、今という時代を見たときに、一見いろいろなものがバラバラに

動いているように見えるけれど、その根っこを探っていくと、意外とひとつの

モノゴトから引き起こされていることがよくある。

そういうことに気づけるかどうか、ということだ。

 

日経新聞の別々の面に載っているけど原因は同じだったとか、そういう話だ。

日頃から、新聞やネットのニュースを読む際に、こうした「横のつながり」を

意識するだけでも、一段高い視点からモノゴトを見るクセがつくようになるし、

「今はどういう時代か」ということが背景となる原因から見えてきて、

自分なりの「時代観」を持つこともできるようになる。

 

「その後どうなっていくか」という展開までも、その時代観をもとに

考えることができるようになればしめたものだ。

 

✔  歴史から学ぶ—「縦のつながり」にもヒントがある

 

さて、つながり思考力の鍛え方の3つ目は、「歴史に学ぶ」ことだ。

 

時代観に加えて、時間や時代をまたぐような「つながり」についても

洞察する力が必要となる。

こちらは、同時期・同時代の因果関係を示す「横のつながり」に対して、

時間的に離れた因果関係を示す「縦のつながり」だと言えるだろう。

時間をさかのぼった原因(遠因)を見つけ出すこと、とも言える。

 

✔  歴史は「縦のつながり」でできている

 

  ※ 省略致します。

 

✔ 歴史とは、こうした因果関係のつながりでできたストーリーだ

 

前述した「経路依存症」のように、過去に起きたことが時間を経て現在に

どのようにつながっているかを知ることで、現在の状況が過去のいかなる

エピソードから成り立っているのかを遡及することができる。

 

そうすると、現在起っていることが未来にどのようにつながっていくかを考える

ヒントにもなる。

いま起きていることの将来へのインパクトを知ることができるようになるのだ。

 

だから、歴史の年号を暗記してもなんの役にも立たない、歴史なんて勉強しても

意味がない、などと開き直るのではなく、歴史をこのようにストーリーで

学んでほしい。

 

現在から過去へさかのぼる発想は、現在から未来を想像する発想に転換できる。

それは、「未来の時代観」を手に入れる行為とも言えるだろう。

 

✔  LED電球の流行は20年前からわかっていた

 

事前に具体的な「未来」をいろいろと描くことで、これからやるべきことや

ビジネスのチャンスなどを考えられるようにもなる。

 

近頃よく話題になる「限界集落」(人口の50%以上が65歳以上)も、「縦の

つながり」を考えるには良い事例だろう。

 

相当意識しないと、時間的に離れた現象(因果関係)というのは見えてこない。

 

通勤の満員電車のなかで手を動かさずとも、こういった「つながりを

想像すること」はできる。

 

 

 

この続きは、次回に。

 

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