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書籍「10年後の自分」を考える技術 ㉘

✔  木も森も同時に見る「ブレイクダウン法」

 

まず、付箋を使ったブレイクダウン法から話をしよう。

 

これは、やるべきこと(To Do)を具体的にポストイットのような付箋に

書き出すことから始める。

その際、おおまかな「やるべきこと」ではなく、1時間半から2時間程度で

できることにまで、「やるべきこと」をブレイクダウン(細目化)することが

ポイントだ。

 

人間の集中力はだいたい2時間程度で切れていく。

だから、集中力が続く時間内で終われるくらいのレベルにまでブレイクダウン

するのだ。

 

たとえば、シナリオの「やるべきこと」で出てきた「家族ケアのプランニング」

について、「家族ケアのプランニングをする」と付箋に書くのではなく、

その要素にまでブレイクダウンした項目を付箋に書くのである。

 

具体的には、「兄弟で話し合う」「親と話し合う」「市の福祉支援状況に

ついて調べる」「民間の施設の情報を入手する」「施設に問い合わせ、

施設の空き状況などを確認する」「金銭的状況についてのシミュレーション

モデルを表計算ソフトでつくる」などと書いた付箋を1枚ずつつくる。

これはどれも、2時間もあれば十分にできることである。

 

次のステップは、それをスケジュール帳に反映させる作業だ。

この際、手帳を使ってもかまわないのだが、絶対にやり遂げたい計画表を

つくるのであれば、模造紙など、壁に貼っておけるものをおすすめする。

 

模造紙がなければ、段ボール紙でもかまわない。

常に計画が目に入る環境を「強制的に」つくりだすのだ。

 

この模造紙上にカレンダーを書き込み、まず、固定的な日程から埋めていく。

「固定的な日程」とは、この場合、「家族ケアプランニング」のような

達成したい計画の項目ではなく、「普通の生活ですでに決まっている項目」の

ことだ。

 

「子どもの塾の送り迎え」とか「町内会の会合に出席」「休日出勤予定」など、

どうしても外せない項目を、まずは書き込んでいく。

その理由は、そうした外せない項目をないがしろにして計画を立てても、

計画倒れに終わる公算が高いからだ。

 

つぎに、空いている時間に、要素分解して書いた付箋を貼っていく。

そうすると、模造紙全体に付箋が貼られることで、全体が見渡せる状況が

つくられる。

いつ頃に何をやれるのかも明確になる。

この方法の良い点は、全体だけでなく詳細も同時にわかるとことだろう。

 

その日にできなかったからといって、落ち込む必要はない。

ただ、空いている時間に動かすだけでいいのだ。

全体には影響を及ぼさないはずである。

つまり、「修正を前提に計画をつくる」とは、こういうことなのだ。

 

付箋を使ったブレイクダウン法のメリットは、このように、全体と詳細を

同時に見ながら、そして修正の可能性も織り込みながら、ゴールに向かって

着実に行動していける点にある。

 

いまや、「木を見て森を見ず」ではなく、「木も森も同時に見る」計画法が

重要なのだ。

 

<ルール>

 

1.ToDoを細目化する

 

2.細目化した項目を付箋に書き込む

 

3.スケジュール表を目に入る場所に貼る

 

4.外せない用事をスケジュール帳に直接書き込む

 

5.空いている場所にToDo付箋を貼っていく

 

6.作業が終わったら付箋にチェックマークをつける

 

7.実行できなかった付箋は空いている場所に貼り直す

 

ブレイクダウン法は、とてもシンプルで使える手法だ。

ぜひ一度試してほしい。

 

 

この続きは、次回に。

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