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ブランディングが9割 ㉚

・「目指す姿」とブランド名をどうつなげるか

 

ブランド名を考えるときの要素として、ブランド戦略のポイントを表現

できているか、戦略と合っているかということも挙げられます。

「目指す姿」とブランド名をどうつなげるかがカギになります。

もし、ブランド名を地名や人名にするなら、当然ながら「目指す姿」を

表現することはできません。

 

「スターバックス」というブランド名を聞いただけで、第三の場所を提供

してくれるブランドとは誰も思わないでしょう。

この場合、あらゆるタッポイントで「スターバックス=第三の場所」と

いうことを示すコミュニケーションを行う必要があります。

「スターバックス=第三の場所」というコミュニケーションをし続ける

ことで、ブランドの提供価値が理解されていくのです。ただし、そのような

コミュニケーション費用がかかってしまうという懸念があります。

コストをかけられない場合は、はじめから、ブランドの「目指す姿」が

お客さんにわかりやすいように、お客さんにとってのベネフィット(ブラ

ンドの提供価値)をそのままブランド名にするとよいでしょう。

そのわかりやすい例を紹介します。

 

● 機能的な価値をベネフィットとしてブランド名で表現

 

・キュキュット—花王

 

・ヒートテック—ユニクロ

 

・「のどぬ〜る」「熱さシート」「ブルーレットおくだけ」–小林製薬

 

● 情緒的な価値をベネフィットとしてブランド名で表現

 

・鼻セレブ—王子セピア

 

・ブランド名を決める上での注意点

 

次に、ブランド名を決める上での注意点を紹介します。

ぜひ参考にしてください。

 

1. ありきたりの名前は避ける

 

2. 読めないブランド名は避ける

 

3. 競合と似たようなブランド名にしない

 

4. 海外の人が発音できるかどうかチェック

 

5. 海外で使用可能かどうかチェック

 

6. 飽きがくるものや、流行に左右される名前は避ける

 

✔  タグラインとブランドステートメント

 

・タグラインとは、ブランド名のスローガンのこと

 

ブランド名の次に考える言語的ブランド要素はタグラインです。

タグラインとは、ブランドのスローガンのことを言います。

言い換えれば、ブランドの目指す姿を一言で表したものです。

キャッチコピーと間違われやすいですが、キャッチコピーは、広告でその

言葉を見て、一瞬で心を掴むために開発された言葉なので、長きにわたって

スローガンとして使われるタグラインとは意味合いが違います。

 

海外のブランドのタグラインといえば、次の物などが有名です。

 

・ナイキ  JUST DO IT.

・アップル Think Different.

・マクドナルド I’m love it

 

日本のブランドであればこのようなものを聞いたことがあるでしょう。

 

・カルピス 「カラダにピース」

・ローソン 「マチのほっとステーション」

・ニトリ  「お、ねだん以上。」

 

こうしたフレーズを見ると、そのブランドが何を目指そうとしているか、

お客さんにどんな価値を提供しようとしているか理解できます。

「ブランド名は変えられないが、お客さんに提供価値をわかりやすく伝え

たい」というときは、タグラインを作成し、ブランド名とタグラインを

セットにするとよいでしょう。

 

ドン・キホーテも「ドン・キホーテ」とだけ書かれるより「激安の殿堂 

ドン・キホーテ」と書かれた方が「驚きの安さ」であることがわかりやすい

でしょう。

 

タグラインにおける表現内容は、ブランドによってそれぞれです。

 

・自社のブランドが「こうありたい」という姿を宣言したもの

・自社のブランドの「強み」は何かを表現したもの

・自社のブランドが「どんな価値を提供したいのか」を表現したもの

 

ポイントは、自分たちのブランドがどうあるべきか、お客さんに一番伝え

たいことは何かを端的に表現するということです。

有名ブランドのCMや広告物に表示されているロゴの真下に記載されている

ケースが多いので、ぜひチェックしてみてください。

 

ブランドが掲げる理想や目指す姿を簡潔な文章で表したブランドステート

メントも、言語的なブランド要素となります。

言い換えれば、タグラインをより具体化したものであり、自分たちがどう

いうブランドで、ターゲットとなるお客さんにどんな価値を提供するかを

約束する宣言書です。

自分たちのブランドの目指す姿が明文化されることによって、社内外の

共通認識が生まれるという重要な側面もあります。

企業のWEBサイトに、ブランドステートメントが記載されている場合も

あります。文章化することで、ブランドが何をしたいのかが明確になります。

社員教育などでも使えるので、用意しておくとよいでしょう。

 

その他のバーバルアイデンティティとして、ブランドストーリー、広告宣伝に

使われる言葉、キャッチコピーもあれば、商品やWEBサイトで使われる

言葉などもあります。また、Twitterで発信する際の表現方法もブランドの

整合性が求められます。

重要なのは、より統一感のあるコミュニケーションを行うために、それぞれの

表現がそのブランドらしいかを検討します。

 

 

この続きは、次回に。

 

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