「D・カーネギー 人を動かす」④
PART2 ✳️ 人に好かれる六原則
1. 誠実な関心を寄せる
● 友を得る方法を学ぶには、わざわざ本書を読むことでもなく、世の中で
一番優れたその道の達人にやり方を学べばいいわけだ。
その達人とは—-我々は毎日路傍でその達人に出会っている。
こちらが近づくと尾を振りはじめる。
立ち止まって、なでてやると、夢中になって好意を示す。
何か魂胆があって、このような愛情の表現をしているのではない。
子犬のティーピーは、相手の関心を引こうとするよりも、相手に純粋な
関心を寄せるほうが、はるかに多くの知己が得られるということを、
不思議な本能から知っていたのである。
繰り返して言うが、友を得るには、相手の関心を引こうとするよりも、
相手に純粋な関心を寄せることだ。
● ウィーンの有名なアルフレッド・アドラーは、その著書でこう言っている—
「他人のことに関心を持たない人は、苦難の人生を歩まねばならず、
他人に対しても大きな迷惑をかける。人間のあらゆる失敗はそういう
人たちの間から生まれる」
● 「作者が人間を好きでないなら、世間の人もまた人の作品を好まない」
● 「説教じみて恐れ入るが、私は、牧師と同じことを言いたい。
もし諸君が小説家として成功したいならば、他人に関心を持つ必要が
あることを心に留めておいてもらいたい」
● ハワード・サーストンといえば、有名な奇術師である。
「私の舞台を見にきてくださるお客さまがいるのはありがたいことだ。
おかげで、私は日々を安らかに暮らせる。私の最高の演技をごらんに
入れよう」
サーストンは、舞台に立つ時、必ず心の中で「私は、お客さまを愛して
いる」と何度も繰り返し唱えるという。
● 「こちらが心から関心を示せば、どんなに忙しい人でも、注意を払って
くれるし、時間も割いてくれ、また協力もしてくれるものだ。」
● 「友をつくりたいなら、まず人のために尽くすことだ。—-人のために
自分の時間と労力を捧げ、思慮のある没我的な努力を行うことだ。」
□ 没我(ぽつが)
物事に熱中して我を忘れること。
無私無欲になること。「没我の境地」
● 紀元前100年に、ローマの詩人パブリアス・シラスがすでに次のごとく
説いている—-「我々は、自分に関心を寄せてくれる人々に関心を寄せる」
他人に示す関心は、人間関係の他の原則と同様に、必ず心底からのもので
なければならない。関心を示す人の利益になるだけでなく、関心を示された
相手にも利益を生まねばならない。一方通行ではなく、双方の利益に
ならなくてはいけない。
● 人に好かれたいのなら、本当の友情を育てたいなら、そして自分自身を
益し同時に他人をも益したいのだったら、次の原則を心に刻みつけて
おくことだ。
【人に好かれる原則①】
誠実な関心を寄せる。
この続きは、次回に。