お問い合せ

リテールマーケティング  ⑬

5. ライブコマース

 

(1) ライブコマースとは

 

ライブコマースとは、ライブ配信とECを組み合わせたもので、商品の

宣伝をインターネットでライブ配信し、視聴者が配信画面から商品を

購入できるスタイルの販売方法である。

ライブコマースが注目されるようになったきっかけは中国である。

元々中国において著名なブロガーやインフルエンサーがライブ配信で

商品を紹介する新たな販売方法として拡大した。

 

(2) ライブコマースの特徴

 

ライブコマースはライフ形式での販売であるため、たとえば、著名な

インフルエンサーが生の声で商品の良さを熱く語ることなどにより、

視聴者に訴求力のある情報発信ができる。

また、視聴者からのコメントをリアルタイムで受け付ける双方向の機能も

備えており、視聴者にとっては情報不足の解消とともに、一方向からの

情報提供であるテレビショッピングにはない買物体験ができる。

商品提供側(店舗)にとっては、商品や企業に対する視聴者の不安を言葉に

よって取り除き、ライブコマースを通じて新たなファンづくりが期待で

きる手段といえる。しかし、実際には、視聴者が増えても購買に至らない

ケースも多く、視聴者とのコミュニケーションをうまく取り、いかに共感を

生むかが課題といえる。

 

6. サブスクリブション

 

(1) サブスクリプションとは

 

サブスクリプションとは、商品やサービスに対して直接代金を支払うのでは

なく、商品やサービスを利用できる期間、または権利に対して代金を支払う

もので、「定額制サービス」と似ているが、厳密には異なるものである。

サブスクリプションの特徴は、定額制サービスよりも消費者に寄り添った

サービスを目指していることである。

具体的には、顧客が必要としているものや顧客満足度を重視しており、

複数の料金プランを用意したり、無料のお試し期間などを取り入れたり

している。最近では音楽や自動車、ファッションなど生活に根づいたさ

まざまなサービスを利用できるようになっている。

 

サブスクリブションの代表的なサービスとしては、定額料金で大量の本

(一般書籍・雑誌・漫画)を電子書籍で購読できる“本サプスクリプション”や、

毎月一定金額を支払うことで新しい服がレンタルできる“ファッション

サブスクリブション”などがある。後者の場合、プロのスタイリストが

選んだ服が届くサービスや、届いた服をそのまま購入できるサービスも、

好きな服やパンツ、アクセサリーなどを規定点数まで借り放題できるサー

ビスなども、さまざまなサービスがある。

 

(2) サブスクリプションのメリット

 

サブスクリプションには、顧客側と企業側の双方にメリットがある。

 

一、顧客側のメリット

 

・利用期間に応じて代金を支払うため、初期費用を抑えることができる。

 

・追加の維持費がかからない。

 

・期間中、利用すればするほど1日当たりの金額が得になる。

 

・動画、音楽系サービスの利用であればネット上で視聴できる(収納

 スペースが不要)。

 

・無料お試しにより、商品やサービスを購入できることなく、これまで

 やったことのない体験を味わえる。

 

・いつでも解約することができる。   など

 

二、企業側のメリット

 

・新規顧客のハードルを下げることで利用者の増加が期待できる。

 

・継続的な売上として蓄積できる。

 

・利用者のリストや統計データを集計することでサービスの改善に

 つなげられる。   など

 

一方でデメリットもある。

たとえば、顧客は利用している間は料金を支払い続けることになり、

長期間にわたって利用していると買い切りに比べてコストが高くなる

場合がある。また、期間中はたとえ利用しなくても料金が発生するため、

使わなければ使わないほど損をしてしまう。

 

 

この続きは、次回に。

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