書籍「すごい物流戦略」① Amazon
本日から、「アマゾン、ニトリ、ZARA—–すごい物流戦略」について、
「代表のブログ」でお伝え致します。
書籍「目次」を見ますと、大変細かく分類されていますので、私の私見で
特に“気になった箇所のみ”明記致します。
書籍の詳細については、ご購読にてお願い致します。
2021.1.19
株式会社シニアイノベーション
代表取締役 齊藤 弘美
アマゾン、ニトリ、 ZARA—-
すごい物流戦略
角井 亮一/著 PHPビジネス新書
✳️ 内容紹介
ネット通販の急拡大、深刻なドライバー不足、輸送コストの上昇—-。
物流“危機”が叫ばれる昨今、多くの企業がこの問題に頭を悩ませている。
しかし一方で、独自の「物流戦略」をもとに圧倒的な競争力を生み出して
いる企業もある。そこで物流の最新事情に精通する著者が、ZARA、
DHLの知られざる物流戦略を海外現地取材。また、アマゾン、ニトリ、
アイリスオーヤマなどの事例も紹介する。
あなたの会社を「物流で勝つ会社」にするヒント満載!
序章 なぜ、物流戦略かのか?
■ 物流が、生活を支えている
・世の中は、物流があるから成り立っています。
物流がなければ、毎日の食事もできません。
物流と言うと「物をトラックで運ぶことだ」と思われている方が多い
のですが、物流がなければ、トイレも水道も電気も使えません。
・物流がなれければ、私たちはたちまち、文化的生活どころか、普通の
日常生活すらできなくなるのです。生きていけないのです。
■ 企業も、物流がなければ成り立たない
■ 物流思考と戦略物流思考
・企業の物流に対する考え方には2つある、という話を私はよくしています。
ほとんどの日本企業は、「物流=コスト」という考えしか持っていません。
そこで、「違う視点で物流を考えないと会社は強くなりませんよ」と、
【戦略物流思考】という考え方を提唱しました。
それに対して、昔ながらの「物流=コスト」という考えを【物流思考】と
しました。
■ 物流の実務部門と企画部門
・では、戦略物流思考ができる企業に、どうすればなれるでしょうか?
うまくいっている企業を見ていると、現場(実務)部門と企画部門が
分かれているケースが多く見受けられます。現場は、日々の戦いで、
業務に追われます。なので、じっくり考える時間がどうしても不足
します。また、目の前のことを考えるのに必死ですから、長期的視野で
考えることはなかなかできません。そこで、部門を2つに切り分ける
必要が出てくるのです。
サプライチェーンマネジメントのソフトウェアでも、計画系と実行系と
いう言葉をよく聞きますが、同様の理由からではないでしょうか。
それぞれで担当者および部門は分けるべきなのです。
【現場に追われる物流責任者】
・日々の現場管理以外は何もできない。
・会社全体に対する提案ができない。
・出てくる資料は経理上の物流コストと状況報告だけ。
【物流企画責任者】
・現状分析ができる。
・物流改革を実行できる。
・物流全体を見た提案を出せる。
・企業全体を見た提案を出せる。
・営業部門、製造部門に提案や協議ができる。
■ 物流の戦略・戦術・戦闘
戦略物流思考が物流思考にプラスされ、物流が現場だけのものでなく
なれば、その日々の戦いである「戦闘」だけでなく、戦術や戦略でも、
物流が語られるようになります。そのためには、次ページの図のように、
どんな物流戦略で経営戦略を実現していくかを考える役割(戦略レベル)、
計画に基づいた役割(戦闘レベル)の3つの層に分けて考える必要が
あります。
【担当職位(例)】
経営陣
・経営幹部
・事業部長 物流戦略(戦略レベル)
・CLO(ロジスティクス最高責任者)
管理者
・物流部長 物流管理(戦術レベル)
・センター長
作業者
・課長(機能長)
・作業リーダー 物流レベル(戦闘レベル)
・作業員
【役割】
経営戦略を作り実現する
・物流戦略の立案 物流戦略(戦略レベル)
・物流構造の設計
実行計画を作り、実行する
・予算コントロール
・作業計画の立案 物流管理(戦術レベル)
・改善活動
指示されたことを着実に実行する
・物流作業の管理
・物流作業の実行 物流レベル(戦闘レベル)
■ 競争優位を築くには、物流戦略が必須
ポーターの3つの競争戦略は、あまりにも有名なので、説明が不要かも
しれませんが、このどれにも、必ず物流戦略が絡んできます。
3つの競争戦利益とは、
「1.コストリーダーシップ戦略」
「2.差別化戦略」
「3.集中戦略」です。
1. コストリーダーシップ(Cost leadership)戦略は、妥当な品質の商品を、
安いコストで提供することです。
これは、高い生産性によって実現できます。
したがって、調達物流や販売物流を含むサプライチェーンネットワークの
効率化や、現場における生産改善による生産性向上がカギとなります。
2. 差別化(Differentiation)戦略は、製品自身の差別化だけでなく、
提供商品(⧧製品)。製品提供に関わるサービスも含めたものが商品)
自体の差別化もあります。
3. 集中(Focus)戦略は、特定のセグメントに経営資源を集中化させる戦略です。
コスト集中と差別化集中がありますが、両者共に、物流というバック
ボーンがなければ、実現しません。
この続きは、次回に。