実践するドラッカー[行動編] ⑩
A lesson from P.F.Drucker
∵定期点検を行う
常に、生産的でない仕事がこの確保済みの時間を蚕食してはいないかと
目を光らせなければならない。(中略)
時間の管理は継続的に行わなければならない。
継続的に時間の記録をとり、定期的に仕事の整理をしなければならない。
『経営者の条件』—-p.75
時間の使い方は、見えない力によって非生産的な方向に引っ張られています。
かなり意識しても、また習慣化してもなお、その〝引力〟はなくなりません。
時間の使い方が改善され、生産性が向上すればするほど、一年前には生産的
だった活動も、今となっては非生産的となり、廃棄の対象となるはずです。
これは、望ましい姿でもあります。定期的な記録と振り返り、そして廃棄を
繰り返すことで、成果があがるようになります。
『経営者の条件』の章タイトル、「汝の時間を知れ」はまさに至言です。
ドラッカー教授自身は、毎年二回、一月と八月に、一週間から二週間の
大きな時間の塊を確保していましたが、それは最も重要な問題に集中する
ためでした。過去一年を振り返り、非生産的になってしまった活動はないか、
次の一年になされるべきことは何かを考えるのです。
定期点検を毎年繰り返すことで見えてくるものがある。
教授はそう教えいくれます。
● 蚕食(さんしょく)
蚕が桑の葉を食うように、他の領域を片端からだんだんと侵していくこと。
「領土を蚕食する」「市場を蚕食する」
実践シート①
あなたにとって、緊急ではないが重要な活動や行動は何ですか。
この1週間、そのためにどれだけ時間を確保しましたか(確保した時間が
十分でなかった場合は、その理由も書いてください)。
—–hint—–
■ 重要な活動とは、3か月から1年、時には3年以上のスパンで成し遂げる
必要のあるもの
■ いまから着手しなければ、達成できないもの
■ 『実践するドラッカー[思考編]』236、および実践シート⑳参照
実践シート②
あなたがやめること、もしくは人に任せることが望ましいと思う活動や
行動を挙げてください。
—–hint—–
■ いま任せられなくても、こんな人がいたら—-という前提で考える
■ 得意でないこと、強みやワークスタイルを生かしていないことなど
■ 廃棄するものについては、『実践するドラッカー[思考編]』実践シート⑲参照
この続きは、次回に。