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実践するドラッカー[行動編] ㉕

A lesson from P.F.Drucker

 

∵行動が具体的に決める

 

決定は最初の段階から行動への取り組みをその中に組み込んでおかなければ

成果はあがらない。

『経営者の条件』—p.181


 

計画と称して目標しか示さないことがあります。

しかも、目標が数字だけのこともあります。

しかし、成果は行動によってしか得られません。

数値目標であり何であれ、すべての計画は、行動を前提につくらなければ

ならないのです。計画がアクションプランと表現されるのは、そのためです。

アクションプランに必要な要素は、いつまでに誰が何を行うか、それらを

誰が知っていなければならないかを決めておくことです。

各人がすべきことをわかっていて、明日の朝から指示がなくとも始めら

れるというのが、優れたアクションプランです。

個人においても同様です。与えられたものや自分で立てたものなど、目標は

いろいろありますが、その多くは数日で達成できるものではありません。

小さな行動を積み重ねるしか、方法はありません。

つまり、小さな行動を明らかにして、そのための時間を確保することが

計画の肝です。

例えば、新しいスキルを身につけるためにセミナーに参加する、一週間を

振り返るなど、手帳の空いた時間に行動を書き入れてください。

行動を最初に組み込んでおくことで、その計画は当然すべきものだという

意識を自分自身に染み込ませるのです。

小さな行動を積み重ね、一歩一歩、確実に目標に近づいていきましょう。

 

コラム ミス・エルザのワークブック

 

ドラッカー教授は、計画することの大切さを小学校時代の恩師、エルザ

先生から学びました。題して、「ミス・エルザのワークブック」です。

このワークブックは、次のようなシンプルなものでした。

 

・毎月一冊、ノートを用意する。

・作文、算数、習字など、学ぶべきこと一つひとつについて、

 それぞれページを割り当てる。

・週始めに、各項目について、具体的にやるべきことを書く。

・週末に、実際に何をどのように行ったか結果を振り返り、記入する。

・次週のやるべきことを具体的に書く。

 

ドラッカー少年は毎週、エルザ先生から目標設定と計画のアドバイスを

もらい、二人三脚で課題の検討を行ったそうです。

結果をきちんと振り返ることで、目標と現実のギャップが明らかになり、

改善点が見えてきます。目標を達成できたときも、その過程を復習する

ことができます。いずれにしても、次に何をすべきか、何を生かすべきかの

大きなヒントとなるのです。

具体的な行動を計画し、それを実行することで成果はますますあがりやすく

なります。ドラッカー少年はそのことを身をもって学び、生涯の習慣と

しました。

 

 

この続きは、次回に。

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