お問い合せ

書籍「成功はゴミ箱の中に」レイ・クロック自伝を読んで ④

おわりに  「おまえたち、金儲けに精を出せ!」 孫 正義

 

付録1    特別対談「心に焼き付けた起業魂とアメリカの夢」孫 正義VS柳生 正

 

柳生 正—レイ・クロックの印象的な言葉

 

「Be daring(勇気を持って)、Be first(誰よりも先に)、Be different(人と違った

ことをする)」

 

付録2  「事業の創り方」「市場の捉え方」法則 7 柳井 正

 

一、成功者の発想法—-商売の真髄はbe daring, be first, be different

 

□ 驚くことに、レイ・ブロックがファーストフードのハンバーガーチェーンを構想した

  のは五二歳のときでした。日本のビジネスマンなら定年後のことを考える年齢です。

  私はこのときの彼の姿にアメリカの資本主義を感じてしまう。いくつになっても

     成功を目指し、起業をためらわないというのがアメリカドリームを信じる男の姿

  なんです。

 

□ ここで見過ごせないのは彼が飲食業のプロではなかったことです。アウトサイダーと

  しての客観的な目で事業の将来性を見抜いた。それが彼の才能ともいえる。

  そんなレイ・クロックは私にとって恩人といえる—-彼が残した「Be daring(勇気を

  持って)、Be first(誰よりも先に)、Be different(人と違ったことをする)」

  という言葉は商売の真髄を表すものだと思いました。初めて読んだとき、手帳に

      書いて、何度も何度も眺めたくらい。

 

二、失敗を乗り越える力—原理原則を「知る」ことと「わかる」ことは違う

 

□ 失敗とどう向き合うかは大切です。成功者を見ていると、レイ・クロックに限らず、

  誰もが事業の失敗をちゃんと受け止め、そうして前進している。マイクロソフトの

  ビル・ゲイツは「You must worry」と強調している。これは「悩みなさい」という

  意味でしょう。つまり、社員一人ひとりが悩み、壁にぶつかって見なければ成長は

  ないということを言っているのです。

 

□ 本来、新しき始める事業とはユニクロの力が生きる業種、もしくはプラスの相乗効果

  が望める業種でないといけない。そうでなければ新しい事業に進出する意味はない。

 

□ わかるというのは身に沁みることです。自分で体験して、これが原理原則なんだなと

  実感しない限り、その後の行動指針にはなりません。僕は「知った」のでなく、

    「わかって」よかったと思っています。本に書いてあることを読むのと、実際にやって

      みることの違いは大きい。本で読んだり、他人に聞いても、本当の意味はわかるもの

  じゃない。そして、一度は失敗しても、また次の成功を目指すのが経営者の仕事です。

  レイ・クロックはそうやって体験を積み重ねてきたから、マクドナルドを成功させる

  ことができたんじゃないでしょうか。成功者とは失敗を体験して、それでいて楽観的

  に前進していく人のことです。僕はそう思う。

 

□ 僕は座右の銘を教えてくれと頼まれたとき、こんなことを書きます。

 《店は客のためにあり、店員とともに栄える。店主とともに滅ぶ。》

 

  店は客のためにあるという部分はよく知られている。しかし、それだけじゃ足りない。

  客を大切にして店員と心を合わせれば店は大きくなる。しかし、店主がエゴを持ち

  出して、店を私物化した途端に滅びてしまう。家族を役員に入れたり、社員を召使の

  ように使うようになってはいけない。当たり前のことなのだけれど、これもまた

      わかっていない経営者が多い。会社が駄目になるのは経営者の心がけです。

 

三、リーダーシップ–お客様に配ったアンパンと牛乳への想い

 

□ 会社は無限の成長をしない限り存在意義はない。私はそう考えています。そうでない

  といつのまにか組織が老化し、腐敗してしまう。レイ・クロックはこの本の中で

    「未熟でいるうちは成長できる。成熟した途端、腐敗が始まる」と言っています。

      会社は常に未熟で、しかも成熟へ向かっているときが会社にとって健康な状態

      なんですよ。

 

□ 「リスクのないところには成功はなく、したがって幸福もないのだ」

   リーダーシップとは決してあきらめないことでしょう。困難に突き当っても経営者は

   あきらめてはいけない。あきらめることイコール会社が潰れることです。

 

□ レイ・クロックのこの言葉には二つの意味があるのではないでしょうか。

 

  「エドが夕刻になってもネオンをつけ忘れているのだ。そんなとき、私はカンカンに

  なって怒った。あるいは、駐車場にゴミが散乱しているのを目にした途端、怒り心頭

  に発し、エドを怒鳴りつけた」

 

   一つは客を大切にする。店にやってきた客が少しでも気持ちよく食事ができるように

   経営者自らゴミを片付ける。もう一つは経営者も社員もセクショナリズムに陥っては

   いけないという教訓でしょう。地位の上下に関係なく目に付いて仕事は何でもやって

   みる。また、従業員ならばどんなセクションに異動させられても、社業に尽くすという

   ことでしょう。

 


 

この続きは、次回に。

 

 

2024年9月3日

株式会社シニアイノベーション

代表取締役 齊藤 弘美

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