今日の気づき-「読売新聞-人生案内」を楽しむ
私は、毎日、新聞2紙を読んで気になる記事は、スクラップするのが日課となっています。
気になる記事の一つ、読売新聞の「人生案内」は、大変、参考になります。
本日-2024年9月6日の「人生案内」の相談者の記事をインターネットより抜粋にてご紹介
致します。そして、回答者である小川仁志氏(哲学者)の回答に感銘を受けましたので、
箇条書きにてご紹介致します。
詳細は、読売新聞にてご覧下さい。
[人生案内]退職繰り返し、転職に不安
2024/09/06 05:00
スクラップ
40代半ばの看護師女性。仕事が長続きせず自分に自信が持てません。長いところで
5年、短い場合、数か月で辞めたことがあります。
子どもの頃からの夢をかなえ、21歳で看護師の資格を取得。希望の病棟に配属されま
したが、2か月ほどで妊娠が分かり、育児休業が取れないことなどから、1年で辞めま
した。
結婚相手からのDVなどでその後、離婚。両親の助けを借り、子育てしながら新しい
職場に勤めましたが、異動で通勤が難しくなり3年で辞めました。
経営者の方針についていけない、聞いていた仕事内容と実際が違うなどで退職したことも。
現夫と再婚後の今は、3人の子を育てながら働いていますが、子どもの手が離れてきた
ので、希望の仕事内容で働きたいと転職を検討中です。一つの職場で根気強く、長く
働きたいのに、また辞めたくなるのでは、と不安です。(福岡・G子)
◇小川 仁志(哲学者)
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読者会員限定記事です
特に感銘を受けた文章をご紹介致します。
□ 職場は変われど、看護師のお仕事自体はずっと続けていらっしゃいますよね。
それは素晴らしいことですし、うらやましいことでもあります。
専門職である看護師は、どこでも働けるということですから。
□ もちろん同じ職場で長く勤めた方が、いいことがあるのもたしかでしょう。
とりわけ日本ではまだまだそうした働き方の方が高く評価されます。しかし、
本来キャリアというのは、単調な一本道のはしごを登ることではなく、
様々な方向に枝が伸びた木を登るようなものであるべきなのです。
そう唱えるのは、アメリカの経済学者ミノーシュ・シャフィクです。
□ 彼女は市民と社会の取り決めに関する伝統的な西洋思想「社会契約」を現代に
応用しています。例えば、様々な枝に分かれた木を登るようにキャリアを歩める
社会こそが、人を幸せにすると考えているのです。私たちはつい職場に自分を
合わせるのが幸せだと思いがちですが、むしろ自分の性格や置かれた状況に
仕事を合わせることができるのが本当の幸せなのでしょう。
○ アメリカの経済学者ミノーシュ・シャフィク
イギリスの大学院で経済学を修める。 36歳のときに最年少で世界銀行の副総裁に
就任し、イギリス国際開発省の事務次官や国際通貨基金(IMF)の副専務理事、
イングランド銀行の副総裁を歴任。そのキャリアにおいて、ベルリンの壁の崩壊や
アラブの春、2008年の金融危機やユーロ圏危機などに対応してきた。
○ 西洋思想「社会契約」
西洋では、近代の初頭、国王が絶対的権限をもつ絶対主義の政治が行われていた。
この政治を支えていた王権神授説を打破し、近代市民社会を基礎づける思想となった
のが 社会契約説である。これは、自由で平等な個人が互いに契約を結んで国家や
政治社会をつくったとする思想である。
人生やビジネス等々でも、「木」や「幹」に例えた教訓やことわざ がいろいろと
あります。
□ 「木を見て森を見ず」
物事の細部に気を取られて全体を見失ってしまうことをいいます。私たちが研究活動
を行っているとこれによく直面します。研究に没頭して考えることは研究者の生き甲斐
のようなものですが,ついつい目の前にある課題の解決に意識が傾き,課題の本質を
忘れてしまいがちです.
□ うどの大木
体ばかり大きくて立派だが、何の役にも立たない者のこと、を指します。この語源の
由来はうどの茎は地上に出る前の若芽の時は食用とされるが大きくなると食用にならず
由来の通り高さ2m以上になるのと、柔らかくて弱いので建築用材などにも使えないこ
とからうどを人間に例え、役立たずな者と意味するようになったといわれています。
□ 木の根に関することわざは?
(「盤根錯節」は絡まり合った根っこや入り組んだ木の節)
切ることが困難な木を切るときに、はじめて使用する道具の真価を判断することが
できる。人間も困難な事態を迎えて、はじめて実力を知ることができることをいう。
□ 枝を矯めて木を枯らすとはどういう意味ですか?
○ えだをきりてねをからす
同じように敵を倒すのに、まず末端をたたいてのち、徐々に本陣に及ぼせば、かならず
本拠も落ちることをいう。
□ 木と人との深いつながりを「ことわざ」から知ろう!
「猿も木から落ちる」「寄らば大樹の陰」など、日本には「木」にまつわることわざが
たくさんあります。普段何気なく使っている言い回しのなかにも、改めて考えてみると
「木」にまつわる言葉が含まれていることも。それだけ木は昔から私たちにとって身近
な存在だったのです。
それらのことわざのなかには木の本質を表しているものも多く、それらを知ることで、
これまで知らなかった木の特長に気づけるかもしれません。今回は、木に関することわ
ざや故事成語を紹介していきます。誰もが知っている表現から少し珍しいもの、また外
国の言葉も紹介しますので、気になるものがあればぜひ今日から使ってみてください。
※ 興味のある方は、インターネットで検索して見て下さい。
○ 猿も木から落ちる
木登りがじょうずな猿でも時には誤って落ちる。その道にすぐれた者でも、時には失敗
することがあるということのたとえ。弘法にも筆の誤り。上手 (じょうず) の手から水が
漏れる。
○ 寄らば大樹の陰
頼りにするのなら、大きな勢力のあるものを選ぶのが得策であるというたとえ。
[解説] 江戸初期から明治期まで、「立ち寄らば大木の蔭」としてよく知られた表現です。
比喩としては、世話になるのなら大きな屋敷や大店がよいということになります。
私は、社会人時代は「転職」を繰り返しました。
1. 珈琲焙煎メーカーの直営店勤務時代(喫茶店)は、店長、スーパーバイザー等々を経験
しましたが、料理を勉強したいと退職。その後、喫茶店新規立ち上げ請負業、ハン
バーグ製造メーカー、官公庁給食委託企業の新規事業立ち上げや支配人を経験致し
ました。
2. 官公庁給食委託企業勤務時代に、「経理部」に配属になり、一から経理業務を教え
ていただきました。その後、数社に勤務致しましたが、管理部長・経理部長・室長・
企画開発部長等々の役職で定年を迎えました。
以上より、「専門職」を一つ持つことで、継続することが大事であること。
転職ごとに職種を変えていては、いつまでも「一からのスタート」となります。
今回の相談者のように「専門職」を継続することの重要性を再確認致しました。
現在は、私たちの年代の「終身雇用」も薄れてきております。
「能力主義」「成果主義」「リスキリング」等々、「働き方」にも変化が見られます。
時代が変われば、「変化に寄り添っていく」か、「我関せず、自分の道を行く」と思う
かは、その人個人の考え方だと思います。
○ 終身雇用
終身雇用とは、企業が正規雇用従業員を定年まで雇用する制度のことで、年齢や勤続
年数などを考慮して賃金や役職を決定する年功序列型とともに、日本の雇用制度の特徴
といわれているのです。基本的に従業員は、入社してから定年まで同じ企業に籍を置く
ことを前提としているため、安定した収入と雇用を継続できる仕組みとして考えられて
います。2023/08/03
○ 能力主義・成果主義
能力主義は従業員の能力を評価することで、賃金や社内でのポジションを決める方法
ですが、成果主義は従業員自身が挙げた成果を重視します。
つまり、成果主義では社内におけるポジションや勤続年数などは評価の対象とならず、
実際にどのような成果を出したかや、高いパフォーマンスを挙げることができたかが
問われやすいといえるでしょう。2024/04/30
○ リスキリング
「リスキリング(Reskilling)」とは、職業能力の再開発、再教育のことを意味します。
近年では、企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)戦略において、新たに必要
となる業務・職種に順応できるように、従業員がスキルや知識を再習得するという意味で
使われることが増えています。2024/01/11
○ われ【我】 関(かん)せず焉(えん)
( 「焉」は漢文で断定の意を表わすのに用いる助辞 )
自分は関係がない。その物事にはまったく関心がなく超然としているさまにいう。
私は、人生とは「太い幹-丈夫な身体」の基に、「多くの枝-能力や知識、経験等」で
歩んでいければ、良いと思います。そして、結果的に自分が満足できれば。
最後に、
「自分の性格や置かれた状況に仕事を合わせることができるのが本当の幸せなのでしょう」。
株式会社シニアイノベーションの事業目的である「生き甲斐」「働き甲斐」「やり甲斐」を
求めて、
「様々な木を登るようにキャリアを歩める社会こそが、人を幸せにする」を実現できれば、
これほど素晴らしいことはないでしょう。
2024年9月6日
株式会社シニアイノベーション
代表取締役 齊藤 弘美