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1分間ドラッカー 抜粋&感想③

第3章 「人」の最善活用ができる言葉        

19  われわれに必要なものは、専門分野の一つに優れた人を、いかに活用するかを知ることである。

   私たちが組織に採用できるのは、せいぜい一つの分野に優れた能力を持つ人だ。

   そうした人が強みを発揮できるようにすることこそが組織の役目である。

   平凡な100人が1歩ずつ進むことで、天才の100歩を超えるほうが現実的だ。

   イトーヨーカ堂創業者・伊藤雅俊氏は、「一人の人間でそんなに能力出ませんよ」と自分の

   後任に鈴木敏文氏を迎えた時の言葉である。

  □ この頃、「チーム力」「チーム制」という言葉をよく聞きます。 

    「個人力」よりも「総合力」という事だと思います。

20  成果を上げるには、成果をあげるための並みの能力で十分である。

   「卓越する」ためには、才能など特別な何かが必要だが、「成果をあげる」には、

   特別なものは不要である。ドラッカーはそれを「音階が弾ければいい」と表現している。

   音階を弾く能力を成果に結び付ける習慣とは何か?簡単だ、かけ算の九九を覚えるまで

   何度もくり返したように、反復することだ。

   鉄鋼王と呼ばれ、一代で財団を築いたアンドリュー・カーネギーの言葉—-

        「私は特別な人間ではない。しいていうなら普通の人よりちょっと努力しただけだ」

   □ 「反復する」ことと「努力する」ことの大事さを再確認致しました。

21   組織の優劣は、平凡な人間をして非凡なことをなさしめる否かにある。

           (理想企業を求めて)

   マネジメントとは人に関わることであり、人は理念と価値観によって動かされると、

   信じがたいと成果をあげることができる。—とドラッカーはいっている。

   組織はごく平凡な人間から強みを引き出し、成果をあげる必要がある。

   そのために、組織には次のことが必要だ。

   ① 人が強みを発揮できる所に配属する。

   ② 人に敬意を払う。

   ③ 人に時間を使う。

   ④ 人に投資する。

   非凡な人は放っておいても非凡なことができる。

   平凡な人にこそ心を配るべきだ。

22  知力や想像力や知識と成果をあげることの間には、ほとんど関係がない。  

   成果は能力よりも努力のたまものであることを、忘れてはならない。

   世界最大の人材紹介会社を創業したロバート・ハーフの言葉—-

        「常に正しい判断ができる人間はいない。たいてい正しければ役立つのだ」

   ドラッカーは指摘する–頭のよい人間が成果をあげられないのは、知的能力が成果に

   直結すると誤解しているからだ。知力や想像力、知識は、成果の限界を設定するだけで

   あることを知るべきだ。

   頭がよいわけではないが成果をあげる地道な人が、あらゆる組織に存在する。

   彼らは、能力幻想や完璧さの罠にとらわれないから、成果があげられるのだ。

23  エグゼクティブとは行動する者であり、物事をなす者である。 

   薩摩(鹿児島県)島津家中興の祖・島津忠良がつくった「いろは御歌」—-

         いにしえの 道を聞きても 唱えても わが行いにせずば 甲斐なし—

    —-いくら学問をして知識を増やしても、また口で立派なことをいえるようになっても、

       日常の行動に生かされなかったら、何の意味もない、ということである。—

         知識労働者、中でもエグゼクティブ(管理職、幹部)と呼ばれるクラスに求められているのは、

   成果をあげるために考え、判断すること以上に、それを行動に移すことである。

   行動に移さない限り、どんなアイデアや知識も、無用の存在だ。理屈をこねるな、

   いいわけをするな、無責任な丸投げをするな、は今も昔もビジネスの鉄則である。

   1842年生まれの伊藤忠商事創業者・伊藤忠兵衛の言葉–

         「商売人にとって重要なことは、機敏に動くことだ」

    米国独立宣言起草者ベンジャミン・フランクリンの若い頃の著作—1732年発行の

    「貧しいリチャードの暦」の一説—–

        「今日なしとげたことは、明日やることの2倍の値打ちがある。」

       □ 私の中学生時代ですが、ある教師が言った言葉を今でも自分の戒めとしております。

     「今日できる事は、明日に伸ばすな」 —これからも心にとめ、実行致します。

24  意味があったのは才能ではなく、勇気だった。        

  成果をあげるために必要なのは、並はずれた才能よりも努力であり、天才の創造性は不要だ。

25  成功してきたのと、同じ貢献を続けていたのでは、失敗する。      

  ドラッカーがコンサルタントする中で気づいた事は、

        「人材の最大の浪費は、昇進人事の失敗である。」

  昇進し、新しい仕事を任された有能な人に最も多いのは「期待したほどではなかったなあ」という

  ケースである。理由は、なぜ昇進によって「凡人化」してしまうのだろうか。

  理由は、新しい任務についても、以前と同じ仕事のやり方を続けるからである。

      ① 新しい任務が何を求めているのか。

      ② そのためには何をすべきなのか。 

  重要なこの2点を考えないから平凡人になるのだ。

  住友電工社長だった亀井正夫氏の言葉—

      「人事で難しいのは、潜在能力を見抜くことだ。課長で優秀でも部長で優秀とは限らず、

  部長で優秀でも役員で優秀とはかぎらない」

  □ その場その場に応じ、自分自身を「チェンジ」することが重要であると認識しました。 

26 何が目的か。何を実現しようとしているのか。なぜそれを行うか。    

  ドラッカーは、仕事の定義ということをしばしば強調している。

  知識労働の生産性向上を図る場合にも、

   ① 何が目的か。

   ② 何を実現しようとしているのか。

   ③ なぜそれを行うか。        をまず問いなおすことだ。

27 偉大なソロを集めたオーケストラが最高のオーケストラではない。

   著名な技術者で登山家でもあった西堀栄三郎氏—–

       「舞台には黒子も子役も女形も必要だ。千両役者ばかり集めても、いい舞台は打てない」

  ドラッカーは、‘最高の演奏者の集まりではなく、「優」の演奏者が強調し、最高の演奏をした時

  最高のオーケストラになる。そう持っていくのがマネジメントの役目だ。’

  全員が勝利に向かって一丸となり、持てる力を100%出せるチームが最強となる。

  仕事も同じだ。

  □ 「チームワーク」の重要性を改めて感じました。

28 雇用と人事を手放すことによって、人を育てる能力すら失う。    

  ドラッカーの指摘は、「合理化の名の元に、雇用と人事を手放すと、人を育てる能力を

  失うことになる。それは、小利に目がくらんだ行為だ。」

  雇用と人事をアウトソーシングしていく流れが加速しても、仕事における関係の希薄化は危険であり、

  企業は人の育成こそ最重要課題であることを忘れてはならない。

  「モノをつくる前に人をつくる」のは、トヨタ生産方式の根幹をなす考え方だ。

  □ 私が以前勤務していた会社での「退職勧奨」についてですが、約80名程のデザインスタッフの

    人員整理を断行しました。

    基本的には退職し、①フリーランスで仕事の出来る人 ② 後1年から2年でフリーランスで

    仕事の出来る人 ③ 能力・実力とも不足している人 を個人面談で明確にすることでした。

    会社の存続が第一番ですので、①と③の人たちには円満に退職をしていただきました。

    現在、その会社は存続しております。

29  衰退を示す最初の兆候は、有能でやる気のある人間を惹きつけられなくなることである。      

   企業が業績をあげるためには必要な3つの資源「人的資源」「物的資源」「資金」のうち、

   特に「人的資源」を惹きつけられなくなったら、もう永続できない」とドラッカーはいっています。

   企業にとって真の経営資源は、人というのがドラッカーの主張である。

   □ 私は「人的資源」が重要であると認識しておりますが、経営者の方々は本当に認識して

     いるのでしょうか。中小企業では、「昇給なし」「給与減額」「賞与なし」等々、大変厳しい

      状況が続いております。大企業といえども安心はできないと思います。

     「経常利益」を増やすと同時に「利益還元」も必要だと思います。

     

この続きは、次回に。                                                  

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