これだけ知っておきたい DRUCKER ドラッカー-Page3
第1章 イノベーションとは何か。
Innovation——「自己革新」
・新しいものを取り入れて、自らをすっかり変えてしまう事です。
その結果、新しい製品やサービスが生まれる。
組織が画期的に変わることも「自己革新」、イノベーションです。
・イノベーションとは、自己革新に伴う新しい製品、サービスの創造によって、
その価格を下げること、と言えます。
シュンペーターのイノベーション
- 新しい製品を生産すること。
- 新しい生産方法を導入すること。
- 新しい販売先を開拓すること。
- 仕入先を獲得すること。
- 新しい組織を実現すること。
シュンペーターは、利益を求める企業が合理的に動こうとした時には
イノベーションを行う以外にないことを理論づけました。
ドラッカーのイノベーションのチャンス7
① 予想しなかったことが起こったとき—「ピンチはチャンス」
② なんらかの差がわかったとき—現在と理想のギャップ⇔業績の差、
認識の差、価値観の差、プロセスの差
③ プロセスのニーズが現れたとき—既にあるプロセスにおいて、
不足していることを充足、補完する事です。
④ 産業と市場の構造が変化したとき—スキマ(ニッチ市場)が出てきます。
そこをうまく埋めていくことがニッチ市場のイノベーションです。
⑤ 人口の構成が変化したとき—産業や市場を独占していた大企業を壊して
いくのが、シュンペーターの言った「イノベーション(創造的破壊)」です。
人口の増減、年齢構成の変化、そこから生じる所得・雇用の変化を捉え、
イノベーションのチャンスにします。
日本の急速な少子高齢化は、イノベーションのチャンスです。
人口構成の変化によって何が起こるか、の方が重要です。
それを知るには、とにかく外に出て「見る」しかないとドラッカーは言います。
イノベーションは、現場を見ることが出発点です。
⑥ ものの考えた、見方や気持ちが変化したとき—-認識や価値観の変化を
利用してイノベーションを起こします。
⑦ 新しい知識が生まれたとき—
本当の経営者は、これらの違いが見られたときその差の原因を考えない、と
言います。それをチャンスにして、何ができるのかだけがわかればよい、と
します。私たちは、「差を利用する」しかないのです。
・ 企業の目的は、「顧客の創造」であり企業にはイノベーションと
マーケティングという二つの機能がある、と言っています。
〇 マーケティングとは、顧客が満足するような製品を提供する事。
良い企業は、顧客を満足させている状態と新しいものを創造し続ける挑戦、
この二つの機能を常に持っているのです。
第2章 どのようにイノベーションを起こすか
「ものの見方」—直観という哲学の考え方です。
直観とは、ありのままに見る、という意味で
「見る」とは、実は感じる事です。
極論すれば空想の世界です。
私達が見る(考えてはダメ)ことが事実だと認識する、という発想です。
第3章 マネジメント—「采配、兵法」
経営者には、「イノベーションを行う起業家」と「マネジメントを行う組織の
リーダー」の二つの面があります。なぜなら、イノベーションを行っていく
ためには「組織を率いること」が必要不可欠だからです。
イノベーションに組織が必要だ、ということ。
いろいろな専門知識をもった専門家の労働者、知識労働者がとりわけ必要だ、と
しています。
□ 経営者への5つの質問
- 我々のミッション(使命)は何か—自己実現
- 我々の顧客は誰か
- 飛脚は何に価値を感じているのか。
- 我々にとっての成果は何か。
- 我々のプランは何か。
□ ドラッカーは、組織には二種類の顧客がいる、と言っています。
① プライマリー・カスタマー——普通の顧客→特化と分業です
↓
自社の得意技を活かせるような顧客に焦点を絞る(特化)
違うタイプの顧客はそれを得意とする他者に任せる(分業)
② サポーティング・カスタマー—-支援する顧客→社員、寄付者、
ボランティア、投資家等を含めての
スタッフ
□ CSR—企業の社会的責任
corporate social responsibility におけるステイクホルダーにそっくりです。
ステイクホルダーとは、企業の利害関係者の全てを指す言葉です。
□ ミッション
・ステイトメントには、チャンス、能力、意欲を盛り込む。
・自分たちには、そういう要請があること(チャンス)
・自分達には、それを空想する得意技がある(能力)
・経営者や社員の自己実現であること(意欲)
↓
ミッションへの貢献に焦点をあわせることで、人間関係の4つの
基本能力が身に付きます。
① コミュニケーション
② チームワーク
③ 自己啓発
④ 人材育成
□ 人はなぜ集まって仕事をするのか?
ただ何となく集まっているわけではありません。
目的があるからです。その目的がイノベーションです。
イノベーションを果たす手段として組織があるのです。
この続きは、次回に。