完訳 7つの習慣-人格の回復-20
関心の輪/影響の輪
自分がどのくらい主体的な人間か自覚するもう一つの素晴らしい方法がある。
自分の時間とエネルギーを何にかけているかに目を向けてみるのだ。
誰でも広くさまざまな関心事(懸念することから興味あることまで)を持っている。
関心を持っていることと、知的にも感情的にも特に関心のないこととを分けてみよう。
直接的、間接的にコントロールできること、そしてコントロールできないこと。
私たちが直面する問題は、次の三つのどれかである。
● 直接的にコントロールできる問題(自分の行動に関わる問題)
● 間接的にコントロールできる問題(他者の行動に関わる問題)
● コントロールできない問題(過去の出来事や動かせない現実)
主体的なアプローチをとることで、この三種類の問題のどれでも、影響の輪の中で一歩を踏み出して解決することができる。
自分が直接的にコントロールできる問題は、習慣を改めれば解決できる。
これは明らかに自分の影響の輪の中にある問題であり、これらの問題を解決できれば、第1、第2、第3の習慣の「私的成功」に関わることができる。
間接的にコントロールできる問題は、影響を及ぼす方法を考えることで解決できる。
こちらのほうは、第4、第5、第6の習慣の「公的成功」に結びつく。
私は、影響を及ぼす方法を30種類以上は知っているつもりだ。
相手の立場に身を置いて考える、それとは反対に相手とは違う自分の主張をはっきりさせる、あるいは自分が模範となる、説得する。
他にもいろいろある。しかしほとんどの人は、三つか四つのレパートリーしか持ち合わせていない。
たいていは自分の行動の理を説き、それがうまくいかないとなると、「逃避」か「対立」かのどちらかになる。
これまでやってきて効果のなかった方法を捨て、影響を与える新しい方法を学び受け入れれば、どれだけ解放的な想いになることができるだろうか。
自分ではコントロールできない問題の場合には、その問題に対する態度を根本的に改める必要がある。
どんなに気に入らなくとも、自分の力ではどうにもできない問題なら、笑顔をつくり、穏やかな気持ちでそれらを受け入れていきるすべを身につける。
こうすれば、そのような問題に振り回されることはなくなる。
アルコール依存症の更正団体、アルコホーリクス・アノニマスのメンバーが唱える祈りは、まさに的を射ているーーー「主よ、私に与えたまえ。変えるべきことを変える勇気を、変えられないことを受け入れる心の平和を、そしてこれらの二つを見分ける賢さを」。
直接にコントロールできる問題、間接的にコントロールできる問題、コントロールできない問題、どんな問題でも、それを解決する第一歩は私たち自身が踏み出さなくてはならない。
自分の習慣を変える。影響を及ぼす方法を変える。
コントロールできない問題ならば、自分の態度を変える。
解決策はすべて、自分の影響の輪の中にあるのだ。
影響の輪を広げる
どんな状況に対しても自分で自分の反応を選び、その状況に影響を与えられる。
それは心強い事実である。化学式の一部を変えるだけで、まるで違う結果になるのと同じだ。
主体的な人は押しつけがましくはない。
主体的な人は、賢く、価値観に従って行動し、現実を直視し、何が必要かを理解する。
この続きは、次回に。