完訳 7つの習慣-人格の回復-27
脳全体を使う
第2の習慣を実践できるようにする、二つの独自の人が持てる能力—-創造と良心—は、主な右脳の働きによるものであり、右脳の機能を活用する方法を知っていれば、第一の創造のレベルが格段にあがるからだ。
これまでの何十年にもわたる研究によって、脳の左半球と右半球はそれぞれに専門の機能を持っていることがわかってきた。
この脳に関する理論によれば、左脳と右脳は異なる情報を処理し、扱う問題も異なる傾向にある。
基本的に、左脳は論理や言語の領域を専門にし、右脳は直感的、創造的な領域に強い。
左脳は言葉を、右脳は映像を扱う。
左脳は個々の部分や特定の事柄を、右脳は全体や部分の関係を見る。
左脳は分析、つまり物事を分解する役割を果たし、右脳は統合、つまりばらばらの部分を組み合わせる役割を果たす。
左脳は順を追って思考し、右脳は統括的に思考する。
左脳は時間の制限を受け、右脳は時間を超越する。
私たちは左脳優位の時代に生きている。
言葉、数値、論理が幅を利かせ、人間の創造性、直観力、感性、芸術性は二の次にされがちだ。
だから多くの人は、右脳の力をうまく活用することが難しくなる。
しかしここで言いたいのは、人間は多様な思考プロセスでものを考えられるにもかかわらず、私たちは脳の潜在能力のほんの一部しか使っていないということである。
脳に眠っているさまざまな可能性に気づけば、それを意識的に活用し、その時どきのニーズに適した効果的な方法で対応することができるようになるはずだ。
右脳を活用する二つの方法
脳の理論に従うなら、創造を特異とする右脳の力を引き出せば、第一の創造(知的創造)の質に対し大きな影響を与えることは明らかだ。
右脳の能力をうまく使えば、時間やその時々の状況を超え、何をしたいのか、どうありたいかという、自分が望む人生の全体像を鮮明に思い描けるようになるからだ。
視野を広げる
主体的な人は、このような視野を広げる経験を他人や周りの人がつくってくれなくても、自分から意識的に視野を広げていくことができるのだ。
心の枠を取り払って、豊かに想像してみてほしい。
細かいところまで思い描き、五感をフルに働かせて、できる限りの感性を呼び起こしてみよう。
想像力を働かせ、自分の内面の奥底にある価値観に触れる方法はいろいろある。
しかし私の経験では、どんな方法をとっても効果は同じである。
自分の人生にとって一番大切なことは何か、どのような人間になりたいのか、本当にやりたいことは何かを真剣に考え、本気で知ろうとした人は皆、必ず敬虔な気持ちになる。
今日や明日のことだけでなく、より長期的なことを考え始める。
この続きは、次回に。