お問い合せ

完訳 7つの習慣-人格の回復-38

期待を明確にする

 

最初に期待を明確にすれば、預け入れになる。

これができるようになるまで時間と労力がかかる。

しかし、長い目でみれば時間も労力も大幅に節約できる。

期待の内容をお互いにはっきりと了解していないと、人は感情的になり、

ほんの小さな誤解が積もり積もって激しい対立に発展し、コミュニケーションが

決裂してしまうことがある。

期待の内容をはっきりと伝えるのは、勇気が要ることもある。

意見の違いを目の前に出して、お互いに納得のいく期待事項を話し合って

決めるよりも、あたかも意見の違いなどないように振る舞い、きっとうまく

いくだろうと思っているほうがよっぽど気楽だからである。

 

誠実さを示す

 

誠実な人は信頼される。誠実さは、さまざまな預け入れの基礎になる。

正直は誠実さの一部であって、誠実であることは正直以上のものである。

正直とは真実を語るときであり、言い換えれば、現実に自分の言葉を合わせることだ。

これに対して誠実さとは、自分の言葉に現実を合わせることである。

約束を守ること、相手の期待に応えることが、誠実な態度である。

誠実であるためには、表裏のない統一された人格がなくてはならない。

その場にいない人に対して忠実になることである。

その場にいない人に誠実な態度をとれば、その場にいる人たちの信頼を得られる。

いない人を擁護して守ろうとするあなたの態度を見れば、居合わせた人たちは、あなたを信頼する。

現実社会において相互依存をもたらす誠実さとは、一言で言えば誰に対しても同じ原則を基準にして

接することである。

そうすれば、周りの人たちから信頼されるようになる。

表裏なく正直で、親切な人こそが信頼され、尊敬される。

相手を大切に思っているからこそ、その人の耳に痛いこともあえて素直に話すのだ。

信頼されるのは愛されるよりも素晴らしいひとである。

そして信頼されることは、ゆくゆくは愛されることにつながるのだと、私は思う。

「九十九人の心をつかむ鍵を握っているのは、一人に対する接し方だ」ということだ。

誠実さとはまた、人をだましたり、裏をかいたり、人の尊厳を踏みにじるような

言動をつつしむことでもある。

ある人の定義に従えば、「嘘とは人をあざむく意図のある言動のすべて」である。

誠実な人間であれば、言葉にも行動にも人をあざむく意図は微塵もないのである。

 

引き出してしまったときには心から謝る

 

信頼口座から引き出してしまったときには、心から謝らなければならない。

誠心誠意の謝罪は、大きな預け入れになる。

自分に自信がなく、内面が安定していない人にはとてもできないことだ。

謝るのがこわいのである。謝ったりしたら自分が弱腰に見え、弱みにつけこまれるかもしれないと

心配になる。

彼らは周りの人たちの評価が心の安定のよりどころとなっているから、

どう思われるかが気になって仕方がないのである。

しかもこういう人たちに限って、自分の過ちを他者のせいにし、自分の言動を正当化する。

たとえ謝ったとしても口先だけでしかない。

間違いを犯すのは問題だが、間違いを認めないのはそれ以上の問題である。

間違いは許してもらえる。

しかし、悪意や不純な動機、最初の間違いをごまかして正当化しようとする

放漫さは心で起こした間違いだ。

心の間違いは、簡単には許してもらえない。

 

 

この続きは、次回に。

トップへ戻る