完訳 7つの習慣-人格の回復-39
愛の法則と人生の法則
何の見返りも求めず本心から無条件で愛することによって、相手は安心感を
得、心が安定する。
自分自身の本質的な価値、アイデンティティ、誠実さが肯定され、認められ
たと感じるのだ。
無条件の愛を受けることによって自然な成長が促され、人生の法則(協力・
貢献・自制・誠実)に従って生き、自分の中に潜在する大きな可能性を発見し、
それを発揮できるようにする。
人を無条件で愛するというのは、相手がこちらの状況や制限に反応するのではなく、
自分の内面から沸き起こる意欲に従って行動する自由を相手に与えることだ。
国連事務総長だった故ダグ・ハマーショルドは、とても意味深い言葉を残している。
「大勢の人を救おうと一生懸命に働くよりも、一人の人のために自分の
すべてを捧げるほうが尊い」企業であれ、あるいは家庭や結婚生活であれ、
効果的に運営するためには人と人とが結束しなければならない。
そしてその結束を生むためには、一人ひとりの人格の強さと勇気が要る。
大勢の人々のためになる仕事をどれほど効率的にできたとしても、一人の
人間との関係を築けるしっかりした人格が育っていなければ、何の意味も
ない。
個人対個人の関係、人間関係のもっとも基本的なレベルにおいてこそ、
愛と人生の法則を実践しなければならないのである。
Pの問題はPCを高める機会
相互依存関係で成り立っている社会にあっては、Pに何か問題があるとき
こそ、PCを高めるチャンスだということである。
信頼口座の残高を増やし、相互依存関係の生産性を大きく伸ばすチャンスなのである。
現実社会において相互依存をもたらす人生を生きるためには、黄金の卵(P)とガチョウ(PC)の
バランスが不可欠だということを頭に入れておけば、問題が起きても、
もっとPCを増やすチャンスととらえ、むしろ問題を歓迎できるようになるはずだ。
相互依存の習慣
信頼口座のパラダイムを理解すれば、人と人とが力を合わせて結果を
出す「公的成功」の領域に入っていくことができる。
これらの習慣が身につくと、相互依存の関係を効果的に築いていける
ことがわかるだろう。
私たちがどれだけ強烈に他のパターンの考えや行動に脚本づけされているか
もわかるだろう。さらに、本当の意味で自立した人間でなければ、他者との
効果的な相互依存関係は築けないことを、もっと深いレベルで理解できるよ
うになるはずだ。
世間一般で言う「Win-Winの交渉術」や「傾聴法」「クリエイティブな
問題解決テクニック」をいくら学んでも、しっかりした人格の土台が
なければ、公的成功はありえないのである。
この続きは、次回に。