完訳 7つの習慣-人格の回復-42
誠実
誠実さとは、「自分自身に価値を置くこと」である。
第1、第2、第3の習慣を身につけることで、誠実さを開発し維持する。
自分の価値観を明確にし、その価値観に従って主体的に計画を実行するにつれて
私たちは自覚を持って意義ある約束を決意し、守り続ける意思を育てていくことができるのだ。
誠実さは、人格という基礎の要石なりである。
成熟
成熟とは、勇気と思いやりのバランスがとれていることである。
ハーバード・ビジネス・スクールのフランド・サクセニアン教授は、
「相手の考え方や感情に配慮しながら、自分の気持ちや信念を言えること」が成熟だと教えていた。
勇気と思いやりのバランスをとることが本当の意味での成熟であり、Win-Winの前提条件なのである。
高いレベルの勇気と思いやりの両方が、Win-Winに不可欠なものである。
勇気と思いやりのバランスこそが、成熟した人間化どうかを測る基準になる。
バランスがとれていれば、相手の身になって話を聴き、理解することもできるし、
勇気を持って自分の立場を主張することもできるのである。
豊かなマインド
Win-Winに不可欠な人格の三番目の特徴は、豊かなマインドと
いうものである。この世にはすべての人に行きわたるだけのものがたっぷりあるという考え方だ。
豊かなマインドを持つには、まずは第1、第2、第3の習慣を身につけ、個人としての喜び、
満足感、充足感を得ていなければならない。
それがあって初めて、他者の個性、望み、主体性を認めることができる。
前向きに人と接することが自分の成長にとって無限の可能性をもたらすとわかっているから、
それまで考えていなかった新しい第3の案を生み出せるのだ。
公的成功は、他者を打ち負かして手にする勝利のことではない。
関わった全員のためになる結果に達するように効果的な人間を築くこと、それが公的成功である。
協力し、コミュニケーションをとりながら、一緒にことを成し遂げることである。
各自がばらばらにやっていたことを、力を合わせて成し遂げる
関係を築くことが公的成功なのだ。
公的成功とはつまり、豊かさマインドのパラダイムから自然と
生まれる結果なのである。
「誠実」「成熟」「豊かなマインド」を高いレベルで備えた人格は、
あらゆる人間関係において、個性主義のテクニックにはとうてい
及ばない本物の力を発揮する。
誰でも自分の内面の奥深くを見つめれば、これまで従っていた脚本、
これまでに身につけた態度や行動を乗り越え、他のすべての原則と同じように、
Win-Winの本当の価値を自分の生き方で証明できるのである。
人間関係
人格の土台ができたら、その上にWin-Winの人間関係を築いていくことができる。
Win-Winの人間関係の本質は信頼である。
信頼がなければ、できる妥協だ。
心を開いてお互いに学ぶことも、気持ちを理解し合うことも、
本当の創造力を発揮することもできない。
お互いに信頼口座の残高がたっぷりあり、お互いに本気でWin-Winを
目指せる関係は、大きなシナジーを創り出す(第6の習慣)跳躍板になる。
相手の性格や立場の違いを遠ざけようとするネガティブなエネルギーが消え、
それに代わって協力的なポジティブなエネルギーが生まれ、
問題点を徹底的に理解し、お互いのためになる解決策を
一緒に見つけることに集中できるようになる。
あなたの誠意、主体性、Win-Winを目指す決意が強くなるほど、
相手に与える影響力も大きくなる。
人間関係で発揮されるリーダーシップの強さは、これで測ることができる。
取引型リーダーシップを超えて、変革型リーダーシップとなり、
自分も相手も、そして関係そのものを変える力を持つのである。
この続きは、次回に。