完訳 7つの習慣-人格の回復-41
どのパラダイムがベストか?
ここまで紹介した五つのパラダイム-Win-Win、Win-Lose、Lose-Wine、Lose-Lose、
Win—のうち、一番効果的なパラダイムはどれだろうか。
答えは「ケース・バイ・ケース」である。
肝心なのは、状況を正しく読みとって使い分けることである。
そうはいっても、現実の人間社会においては、ほとんどが相互依存関係なのであり、
五つのパラダイムの中でWin-Winが唯一の実行可能な選択肢になるのだ。
先々のことを考えれば、どちらも勝者になれなければ、結局はどちらも負けなのである。
だから、相互依存の現実社会の中で採れる案はWin-Winだけである。
Win-Win or No Deal
お互いに満足でき、合意できる解決策を見つけられなかったら、
Win-Winをさらに一歩進めたパラダイム、「Win-Win or No Deal」という選択肢がある。
No Deal(取引しない)とは、簡単に言えば、双方にメリットのある解決策が見つからなければ、
お互いの意見の違いを認めて、「合意しないことに合意する」ことである。
Win-Win or No Dealのアプローチが特に効果を発揮するのは、新しく事業を興したり、
新しい取引先と契約を結んだりするときである。
Win-Winの五つの側面
「Win-Winを考える」は、人間関係におけるリーダーシップの習慣である。
人間だけに授けられた四つの能力(自覚・想像・良心・意思)すべて発揮して、お互いに学びあい、
お互いに影響し合い、お互いに得るところのある人間関係を育てていくための習慣である。
お互いのためになる関係を築くには、大きな思いやりと勇気が必要である。
特にWin-Winのパラダイムに脚本づけられた相手ならばなおさらだ。
この習慣は人間関係におけるリーダーシップの原則が重要になる。
人間関係でリーダーシップを発揮するには、ビジョンと主体的な率先力、そして原則中心の
主体的な生き方から得られる四つの要素(安定・指針・知恵・力)が必要である。
Win-Winの原則は、あらゆる人間関係の成功を築くための基礎であり、
互いに関連し合う五つの側面でできている。
まず人格があって、それによって人間関係が築かれ、そこで協定ができる。
合意に至るまでの流れを円滑に進めるためには、Win-Winに基づく構造とシステムが要る。
さらに、プロセスも重要だ。
Win-Loseや、Lose-Winのプロセスでは、Win-Winの結果に到達することはできない。
五つの側面の相関関係を図に表すと、このようになる。
※ 図は省略致します。
1 Win-Win 人格
2 Win-Win 人間関係
3 Win-Win 協定
4 Win-Win システム
5 Win-Win プロセス
では、五つの側面を順番に見ていこう。
人格
人格はWin-Winの土台である。
すべてがこの土台の上に築かれる。
そしてWin-Winのパラダイムを身につけるためには、人格の三つの特徴を育てなければならない。
この続きは、次回に。