お問い合せ

完訳 7つの習慣-人格の回復-47

違いを尊重する。

 

違いを尊重することがシナジーの本質である。

人間は一人ひとり、知的、感情的、心理的にも違っている。

そして違いを尊重できるようになるためには、誰もが世の中をあるがままに見ているのではなく、

「自分のあるがまま」を見ているのだということに気づかなくてはならない。

本当の意味で効果的な人生を生きられる人は、自分のものの見方には限界があることを認められる謙虚さを持ち、心と知性の香料によって得られる豊かな資源を大切にする。

そういう人が個々人の違いを尊重できるのは、自分とは違うものを持つ他者と接することで、自分の知識が深まり、

現実をもっと正確に理解できるようになるとわかっているからなのである。

自分の経験したことしか手元になければ、データ不足であることは明らかである。

お互いのものの見方の違いを尊重しなければ、また、お互いを尊重し合い、どちらの見方も正しいのかもしれないと思わなければ、

自分の条件づけの中にずっととどまることになる。

人生は「あれかこれか」の二者択一で決められるわけではない、答えは白か黒かのどちらかではない、

必ず第3の案があるはずだと思えない限り、自分だけの解釈の限界を超えることはできないのである。

違いを尊重することによって、私自身の視野が広くなるだけでなく、あなたという人間を認めることにもなる。

 

力の場の分析

 

相互依存の状況では、成長と変化を妨げるネガティブな力に対抗するときこそ、シナジーが特に強力になる。

一般的に推進力はポジティブな力である。

合理的、論理的、意識的、経済的な力が働くわけである。

それに対して抑止力はネガティブな力であり、感情的、非論理的、無意識、社会的・心理的な力が働く。

Win-Winを考える動機(第4の習慣)、まず相手を理解することに徹し、それから自分を理解してもらえるようにするための

スキル(第5の習慣)、他者と力を合わせてシナジーを創り出す相互作用(第6の習慣)、これらを総動員して抑止力に直接ぶつけるのだ。

抑止力となっている問題について、心を開いて話し合える雰囲気をつくる。

するとがちがちに固まっていた抑止力が溶け始め、ほぐれていき、抑止力が推進力にいっぺんするような新しい視野が開けてくる。

人々を問題の解決に巻き込み、真剣に取り組ませる。

すると誰もが問題に集中し、自分のものとしてとらえ、問題解決の一助となる。

そうすることで、全員が共有できる新しい目標ができ、誰も予想していなかった方向へ話が進んでいき、

上向きの力が働き始める。その力が興奮の渦をもたらし、新しい文化が生まれる。

興奮の渦の中にいた全員がお互いの人間性を知り、新しい考え方、創造的で斬新な選択肢や機会を発見して、大きな力を得るのである。

 

自然界のすべてはシナジーである

一つひとつの習慣が持つ力は、相互に関係し合ったときに最大の力を発揮するのである。

チームワーク、チーム・ビルディング、人々が結束して創造力を発揮すること、それがシナジーである。

あなたが自分の内面でシナジーを創り出すとき、その努力は影響の輪の中で完全になされる。

自分自身の分析的な側面と創造的な側面の両方を意識して尊重し、その二つの側面の違いを生かせば、

あなたの内面で、創造的なエネルギーが解き放たれるのだ。

敵対心を向けられるような厳しい状況にあっても、自分の内面であればシナジーを創り出すことはできる。

他者の良い面を探し出し、それが自分とはまるで異なっていればなおさら、そこから学んで視野を広げていくことができる。

相互依存の状況の中で、あなたは勇気を出して心を開き、自分の考え、気持ち、体験を素直に話すことができる。

そうすれば、他の人たちもあなたに触発されて心を開くだろう。

相手の意見を認め、理解しようとすることが大切である。

自分の考えと「間違った考え」の二つしか見えないときは、あなたの内面でシナジーが創り出して、第3の案を探すことができる。

ほとんどどんな場合でも、シナジーにあふれた第3の案は見つかる。

Win-Winの精神を発揮し、本気で相手を理解しようとすれば、当事者全員にとってより良い解決策が見つかるはずだ。

 

第6の習慣:シナジーを創り出す 実践偏

 

1  あなたと考え方のまるで違う人を一人思い浮かべてみる。

  その人との違いを土台にして第3の案を見つけるにはどうしたらよいか

  考えよう。

  今あなたが進めているプロジェクトや直面している問題について、その

  人に意見を求めてみる。

  自分とは違う考え方を尊重して耳を傾けてみよう。

 

2  あなたをイライラさせる人の名前をリストアップする。

  あなたの内面が安定していて、自分と他者の違いを尊重できるなら、

  その人との違いを生かしてシナジーを創り出せるだろうか。

 

3  もっとチームワークを高めてシナジーを創り出したいと思う状況を一つ

  挙げる。シナジーを創り出すためには、どのような条件が必要だろう

  か。それらの条件を揃えるために、あなたにできることは何だろうか。

 

4  今度、誰かと意見が違ったり、対立したりしたとき、相手の立場の裏に

  ある事情を理解するように努力してみる。

  その事情を考慮して、お互いのためになる創造的な解決策を話し合って

  みよう。

 

 

この続きは、次回に。

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