知識ゼロからのイノベーション入門⑪
第6話 計画は顧客に合わせて常に更新する。
⚪️ ユーザーが計画を追い抜く。
⚪️ やりたいことは次々と出てくる。
第7話 サービスにやりすぎはない。あらゆる経営資源を顧客に。
⚪️ 顧客は顧客を連れて来る。
⚪️ オフィスにお金をかけない。
企業にとって財産は顧客だ。
顧客の企業に対するロイヤルティ(信頼性)こそが企業価値を高める。
ベゾスは顧客中心でイノベーションを起こそうとしていた。
第8話 ユーザーとの直接の接点「物流」に手を抜かない。
⚪️ 「もの」は待ってくれない。
ベゾスは社員に「一生懸命働いて、楽しんで、歴史を創ろう」と言う。
プリストン大学の後輩たちにも「自分の決定とハードワークに誇りを持ちなさい」という
メッセージを送っている。
イノベーションは、楽ではない。
懸命なハードワークが必要なのだ。
⚪️ 倉庫の大切さを見逃すな
会社が急成長しても、ベゾスや管理職は定期的に倉庫に足を運び、仕分けや梱包の作業を行った。
顧客に本を届ける倉庫部門が顧客重視に徹しなければ、アマゾンは信頼を失うという思いからだ。
「顧客がアマゾンを知る数少ない接点は、ウェブサイトと郵送で受け取る本だけだ」と
ベゾスは言っている。
アマゾンのイノベーションは、使いやすいサイトに加え、本の仕分けや梱包に懸命に取り組むことで
もたらされている。
第9話 競争相手よりも顧客満足に注意を払う。
⚪️ 顧客から目を離さない。
「私たちが注意を払う相手は顧客であって、競争相手ではありません」とベゾスはいう。
アメリカにはバーンズ&ノーブルとボーダーズ・グループという2大書店があって、
激しい競争をしていた。両チェーンの関心はライバルの動向にのみ向けられ、
インターネットへの注意は払わなかった。
アマゾンの初期の成功は、こうしたライバル企業の無関心に助けられた面も大きい。
だが、ライバルがアマゾンの成功をいつまでも放っておくはずはなかった。
1997年、バーンズ&ノーブルはネットサイト計画を発表する。
マイクロソフトや、ネットサービス開始やAOLと提携、価格競争にも出る。
同時にアマゾンのうたい文句「地球最大の書店」が誇大な宣伝だと、訴訟に打って出た。
⚪️ 顧客のお金と時間を節約する。
周囲はバーンズ&ノーブルの勝利を予想して「アマゾン・ドット・トースト(落ち目)」と
揶揄する声もあった。しかし、ベゾスはそんな声は意に介さず、ライバルから学ぶべきは学び、
取り入れるべきは取り入れる一方で、顧客をよく観察し、最高のユーザー体験を提供し続けることに
全力を傾けた。
バーンズ&ノーブルのネットサイトが優れた能力を築くまでに、アマゾンが世界一流のブランドを
確立できるか。結局アマゾンが勝ち、バーンズ&ノーブルは2003年、ネットから撤退を発表する。
ライバルがサイトをきれいに飾り立てたのに対し、ベゾスは顧客の最も貴重な資源である
お金と時間を節約できるサイトをつくろうとした。
そこが勝負の大きな分かれ目だった。
この続きは、次回に。