知識ゼロからのイノベーション入門-フェイスブック①
第4章 [フェイスブック]
マーク・ザッカーバーグの遊び感覚イノベーション
—-要は「面白さ」だ
第1話 「つくる」遊びをたくさんしておく。独創の土壌になる。
・ 友人のニーズつかんで遊ぶ
フェイスブックを創業したマーク・ザッカーバーグは早熟な天才だった。
中学生の頃は父親のために、自宅と病院を結ぶネットワークを構築、高校生の頃は、
マイクロソフトもほしがった音楽再生ソフト「シナプス」を開発した。
ハーバード大学に進んで寮生活を初めてからもたくさんのプロジェクトを手がけた。
その1つが「コースマッチ」だ。
講義をクリックすると取っている講義がわかった。
交友を広げたいニーズに合って大ヒットした。
・ 大きなことはわからなくていい
だが、次の「フェイスマッシュ」は物議を醸した。
学生たちの顔写真が出て「どちらがホットか」を投票できる面白さにアクセスが殺到したものの
抗議の声も強く、ザッカーバーグは大学から謹慎を言い渡された。
こうした経験を経て生まれたのが「フェイスブック」だった。
ザッカーバーグは言う。「次にやるべき大きなことが何かなんてわからない。
僕のやり方は、大きなものをつくるんじゃなくて、小さなプロジェクトを積み重ねていって、
最後に一緒にすることなんだ」と。
第2話 まず自分が面白がること。やがて多くの人が面白がる。
・ イノベーションは不満から始まる
イノベーションの多くは不満から始まっている。
ラリー・ペイジは、検索エンジンに不満を持っていたし、スティーブ・ジョブズは、
当時のコンピュータに不満を持っていた。
フェイスブックの始まりも大学の対応への不満だった。
ハーバード大学では新入生全員の写真を掲載した印刷物『フレッシュ・レジスター』が人気で、
学生はデジタル化を大学に要望していた。
だが、なぜか一向に実行されない。
ザッカーバーグは「大学にやらせると2〜3年はかかる。
僕ならもっといいものを1週間で立ち上げてみせる」と考えた。
こうして2004年2月に立ち上げたのがフェイスブックだった。
・ 自分が面白いものは人にも面白い
機能はシンプル—写真を1枚載せて自己紹介を書き込むだけ。
始める条件は、ハーバード大学のメールアドレス保持者、実名で登録すること。
ザッカーバーグはトップページに「自分のソーシャルネットワークを可視化しましょう」
ザッカーバーグは言う。「僕はこう考えたんだ。みんな僕と同じ大学生だ。
だから自分が面白いものをつくれば、みんなにも面白いものになるんじゃないかなって」と。
ザッカーバーグには、みんなが「面白い、使いたい」と思うものを感じ取り、
つくり上げる優れた才能があった。
スタートから3週間で登録者は6000人に達する。
この続きは、次回に。