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会計は「ザックリ」のほうがよくわかる! ⑦

第3章 数字を身近に理解する ザックリイメージ力

 

〔ポイント〕

⚪️ 外資系企業の会計IROHA(イロハ)

 

外資系企業(Foreign Affiliated Company)ってよく耳にしますが、実際にはどんな企業なのでしょうか?

欧米をはじめ海外の企業は、日本でビジネスを行うために日本に子会社(Subsidiary)を設立したり、

日本の企業と一緒に合弁会社(Joint Venture)を設立したりします。

こうした会社を総称して、外資系企業と呼んでいることが多いと思います。

これらの会社は、本国の親会社(Parent Company)の子会社あるいは関連会社

(Affiliated Company)なので、会計上は親会社の連結決(Consolidation)の対象会社となる

ケースが多いです。

したがって、日本の企業なのですが、日本の会計基準(JAPAN GAAP)だけでなく、

IFRS(国際財務報告基準)に沿った英語の決算書を作成しなければなりません。

そうしたことから、外資系企業の会計のことを英文会計と呼ぶことがあります。

実際にグローバルで同じ英語の会計システムを使っている場合も多いですし、会計期間毎に

親会社等に提出するレポーティング(Reporting Package)はもちろん英文で作成されます。

さて、外資系企業の会計期間(Fiscal Period)は、日本企業と同じように、月(Fiscal Month)、

四半期(Fiscal Quarter)、年(Fiscal Year)なのですが、月次の締(Monthly Cut-Off)は、

カレンダー上の暦月(Calendar Month)の末日でないことがあります。

外資系企業の月次決算(Monthly Closing)の作業スケジュールではCut-Offの翌営業日

(Next Working Day)をDAYI(デイ・ワン)あるいはWDIとカウントしていきます。

レポーティングの期限(Due Date)は、DAY3からDAY5と日本企業と比べるとかなり

短期間で月次の締め作業を完了させないといけません。

タイトなスケジュールの中、大きな時間的ウエイトを占めるのが、親会社も含む

海外のグループ企業との売掛金・買掛金などの月末残高を確認する作業(Intercompany

Balance Confirmation)だと思います。

外資系企業なので、取扱商品の多くは当然グループ企業からの輸入品ですし、

経費の付け替え等も発生する場合もありますから、取引件数はかなりの数に上ります。

また、グループ企業からの製品の出荷は完了しているがカットオフの時点では輸送中なので、

日本での入庫作業が完了していないといったケースも日常的に発生すます。

そうした中で、それぞれの国との時差もあるため、タイムリーに双方の残高明細を

すべて一致させるのは、かなり大変な作業となるのです。

さて、レポーティングには、財務会計(Financial Accounting)と管理会計(Management

Accounting)の2種類があります。

管理会計のレポートは、経営管理者の意思決定や業績予測のために、

財務会計のレポートをベースに作成されます。

レポーティングの内容は、企業によって違うと思いますので、事業部別、製品別の

決算書なども含め詳細な情報と分析が求められ、ボリュームが数十ページにわたる場合も

珍しくありません。さらに、管理会計のレポートには、数字情報だけではなく経済環境や

ビジネスの状況について、また主要な勘定科目の増減や差異の理由等について、

コメンタリーやサマリーと呼ばれる説明を添付することがあります。

特に四半期および年次の決算月では、親会社が公開会社の場合には開示のため、

さらに詳細な会計情報が必要となるので、通常月よりもレポートの種類も多く、

ボリュームも大きくなることが多いです。

 

 

この続きは、次回に。

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