お問い合せ

「孫子 抜粋」 ②

 11. 能使敵人自至者、利之也
        よく敵人をして自ら至らしむるには、これを利するなり

    敵が自分から進んでこちらへやってくるようにさせるには、こちらへくれば利益があるように

    思わせることである。

   12. 能使敵人不得至者、害之也
       よく敵人をして至るを得ざらしむるには、これを害するなり


      敵をこちらへ来ないようにするには、来たならば損害を受けると思わせることである。

 13. 強而避也
    
       強なればこれを避けよ
       相手が自分より強い場合は避けることだ。

 14. 怒而撓之
    
       怒(いか)らせてこれを撓(みだ)せ。
       相手を怒らせてかき乱せ

 15. 卑而驕之
    
       卑(ひく)うしてこれを驕(おご)らせよ
       へり下って相手を慢心させよ

 16. 親而難也
    
       親(した)しければこれを離せ
       敵が団結しているときは、離間させることだ。

 17. 多算勝、少算不勝
    
       算多きは勝ち、算少なきは勝たず
       勝算が多い方が勝ち、少ない方は勝てない

 18. 兵聞拙速、未睹巧之久也
    
       兵は拙速(せっそく)を聞くも、いまだ巧の久しきを睹(み)ざるなり
       戦争は、多少手際が悪くても、すばやく勝負をつけるほうがよい。

       戦術がすぐれていても、それが長く続くという保証はないのである。

 19. 兵久而国利者、未之有也
    
       兵久しくして国に利するは、未(いま)だこれあらざるなり
       戦いが長びいて国家に利益をもたらしたという例はない。

 20. 不尽知用兵之害者、則不能尽知用兵之利也
    
       尽(ことごと)く用兵の害を知らざれば、尽く用兵の利をも知ること能(あた)わざるなり

       戦争の弊害を十分に知りつくしたうえでなければ、戦争の効果を十分にあげることはできない。

 

 

この続きは、次回に。

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