成功の要諦 -4
経営者が持つべき哲学とは
経営者の条件として哲学が必要です。
そして、その哲学とは「人間として何が正しいのか」ということが原点になります。
「人間として何が正しいのか」という問いは、哲学問答であると同時に、経営者が持つべき
哲学を確立することにもなると、私は考えています。
あらゆるものに神仏が宿る
人間の本質とは何かと考えてみたら、仏教、とくに比叡山の天台宗あたりでは、人間の本質
またはものの本質を「山川草木悉皆成仏」というふうに話をしています。
山も川も草も木も皆ことごとく仏なり、というものです。
つまり、森羅万象あらゆるものには仏が宿るのだというわけです。
山川草木悉皆成仏
眼に見えないすべてのものを含め、この世に存在するすべてのものが、私たちを本来の姿に
立ち返らせようとして、間断なく働き変えているという意味。
存在するすべての原始物質は、同じであり、すべてに仏性が宿るという考え方。
森羅万象 意味
天地間に存在する、数限りないすべてのもの(万物)や事象。
▽「森羅」は樹木が限りなく茂り並ぶ意で、たくさん連なること。
「万象」はすべての形あるもの、有形のものの意。「万象」は「ばんぞう」「まんぞう」とも読む。
人間の本質を訪ねる
ヨガの聖人が言うには、瞑想をして精神が静かになっていくと、最後には限りない
幸福感に満たされ、とめどもなく涙があふれるそうです。
いわゆる随喜の涙が流れるのです。
それを仏教では三昧の境地と言っています。
随喜之涙(ずいきのなみだ)
意味は、「心から感謝をして有難く思って流す涙」。
三昧の境地(ざんまいのきょうち)
人間の感覚を超えて静謐な世界に到達すること。
すべてのものに存在する意味がある
森羅万象あらゆるものが同じルーツ、同じ存在としかいいようのないものが成り立っていると
いうわけです。
この世に存在する森羅万象は、無駄なものは一つもないのです。
それはあるべくして存在する、つまり必然性がある。
また、そのような多様性があるために、社会が構成できると私は考えたのです。
たまたま主役を演ずる役割が当たっただけ
才能を私物化してはいけない
才能がある人ない人、そして障害を持った人、いろいろな人が世の中に生まれ出てきて、
その人たちが皆、世のため人のために尽くすことによって社会がうまくいくように
なっているのです。それなのに、いくら才能があるからといって自分の才能を全部自分のために
自由に使ったのでは、世の中は不幸になってしまいます。
才能を私物化してはいけないのです。
この続きは、次回に。