認知症にならないための 決定的予防法⑩
内因性の危険因子—家族歴
家族歴とアルツハイマー病についてわかっていること
第一度近親、つまり親やきょうだいにアルツハイマー病になった人がいれば、あなたが
アルツハイマー病を発症する危険も10%から30%増すことになります。
同じくらい重要なのは、親の姉妹、兄弟であるおじ・おば、およびいとこです。
若くしてアルツハイマーになった肉親がいる人は、アルツハイマーになる可能性も高くなります。
アルツハイマーを防ぐには
アルツハイマーの危険因子を知ってください。
それから、自分で抑制できる要因は変えるように努力し、アルツハイマーがあなたの人生における
現実にはならないようにしてください。
歩哨因子—-ストレス
ストレスとアルツハイマー病についてわかっていること
ストレスは歩哨危険因子です。
それを防ぐことはできませんが、それをコントロールするすべは学べます!
<ストレスがたまっている>という表現は、生活におけるストレス要因の影響力を表わすのに使われます。
ストレスがたまっていると不安が高まり、気分がふさぎ、注意散漫になるなど、さまざまな
体の症状を感じるようになります。
ストレスによって、アルツハイマー病になる可能性が二倍もしくは四倍に増えることが、
いまでは研究からわかっています。
仕事柄、私はその確率はもっと高いと思います。たとえ若い人でも、ストレスはタンパク
同化ホルモンと異化ホルモンのバランスを崩す原因となるからです。
どれだけストレスを感じているか知りたければ、肥大しつづけるウエストを見ることです。
腹部についておなかの脂肪です。ストレスを受けると、私たちはりんご、もしくは棒付き
キャンディのような体型になり始め、この体型が心臓病、糖尿病、高血圧、癌、それにももちろん、
アルツハイマー病になるリスクを大いに高めるのです。
要するに、生涯に受けるアロスタティック(ストレス)負荷[ストレスが一定の限界を超えて心身が
消耗すること]が脳の変化を加速し、それが物忘れにつながる、ということがいまではわかっています。
アルツハイマーを防ぐには
感情の状態が身体的なすこやかさを左右するのです。
私はステップ4、つまり自分の感情的、身体的ストレスに対処して、うまく付き合う戦略を
採用することがいかに大切かを論じます。
それには、なるがままに任せることから、心配しないこと、ものごとは一日ずつ処理すること、
人生に目的を見出すこと、意味のある社会的絆を深めること、日々運動すること、さらに
睡眠の質を高める努力をすることまで含まれます。
こうした対処技能を用いない人は、慢性ストレスを受けやすく、コルチゾールの値が高くなり、
その結果、病気になりやすいことが研究から裏づけられています(体は心が命ずることのみを
知っているのです!)。
慢性ストレスは老年期に入る何年も前から、体と精神の双方を衰えさせることがわかっています。
よい休暇を楽しんだあと、友人たちから元気そうに見えるといわれるのは理由があるのです。
その逆に、ストレスを感じ、眠れないときは、具合が悪そうだと言われるでしょう。
この続きは、次回に。