認知症にならないための 決定的予防法⑪
歩哨危険因子—睡眠
睡眠とアルツハイマー病についてわかっていること
アルツハイマーの外因性の危険因子の多くは二つの歩哨危険因子、すなわち慢性ストレスと
睡眠不足に関連しているのです。
睡眠時無呼吸は、睡眠中に定期的に呼吸が10秒間かそこら止まることで起こります。
これもまたきわめて危険で、かつ診断がつかない病気であり、アルツハイマー病の危険性を
高めるものであります。
閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)は鼻、口、または喉の気道がふさがれるか狭くなることで引き起こされ、
こうした現象は睡眠時に喉の筋肉や舌が弛緩しているときに起こります。
今日、アルツハイマーがこれほど流行しているのは、睡眠時無呼吸のせいかもしれないと私は
考えています。
最もよく見られる症状はいびきと日中の倦怠感、それに耐えがたい眠気です。
あなたやご家族がいびきをかくようであれば、睡眠時無呼吸かどうか確かめる方法を医師と
相談してください。
睡眠時無呼吸であるなら、医師の指示に従って治療してください。
アルツハイマーを防ぐには
良質な睡眠は体の炎症促進性のマーカー[血液中にある生理的物質で、その値が異常になると
病気を意味する物資発]を減らすうえで役立ち、ヒト成長ホルモンも増加させます。
ヒト成長ホルモンは55歳になると75%も減少し、70歳になるころには90%も減ります。
研究によると、ヒト成長ホルモンの不足から肥満、筋肉量の低下、さらに運動能力の衰えに
つながることがわかっています。
そして、良質な睡眠をとれば、老後もこうした問題を改善できるかもしれません。
二つの歩哨危険因子—-睡眠不足とストレス—に対処することが、いかにそのほかの外因性の
危険因子を克服するのに役立つか、いくらか理解いただけたでしょうか?
外因性の危険因子—肥満
肥満とアルツハイマー病についてわかっていること
現在の割合で人々が体重を増やしつづければ、2015年までには太っているのがふつうになり、
アメリカ人の75%は肥満になり、そのうち41%は高度肥満になるでしょう。
体重と身長を比較する重要な指標であるボディマス指数(BMI)を使うと、肥満の人はBMIが
25から30になります。
高度肥満の人はBMIが30以上です。問題は、高度肥満がアルツハイマー病のリスクを女性では300%、
男性でも30%から50%高めることです。
体の脂肪組織が増えるにつれて、これらの組織に栄養を運ぶ血管が通常量の酸素を供給し
つづけられなくなり、局部的に酸素が欠乏してきます。
これかせ慢性炎症反応を引き起こし、それによって体内でさらに細胞を破壊する物質が生成されます。
肥満はこうした反応を手に負えないものに変え、糖尿病、高血圧、心臓病、それに一部の癌などの
健康上の問題を増加させます。
神経伝達物質のドーパミンとセロトニンの値が高ければ、体重は制限しやすくなります。
しかし、ドーパミンもセロトニンも充分な睡眠がとれるかどうか値が大きく左右されます。
肥満➡️炎症➡️アルツハイマー病
肥満の原因は単純です。インプット[摂取]したものが、そこからアウトプット[生成・排出]する
ものよりも多いのです。
わかりやすく言えば、運動する以上に食べているということです。
肥満はホルモンのバランスが崩れた結果です。
老化とともに、神経伝達物質のドーパミンとセロトニンが減少(ストレスと睡眠不足の双方に
関連して)すると、それが食欲の増進と依存症につながるのです。
最近の研究から、ドーパミンの値が下がると、視床下部が動きだすように信号が送られることが
わかっています。
視床下部のなかに、われわれの性欲があります。怒りが生じる部位は、食欲のすぐ隣にあります。
こうした領域は、穏やかに保ちたいものです。活性化させずに!
この続きは、次回に。