認知症にならないための 決定的予防法㉒
長く賢く生きる心づもりはできましたか?
われわれはみな年をとるのです。
たいていの人は体重が増えて、何cmか大きくなっています(明らかに身長ではありません)。
われわれの体の多くは、重力(あるいはビールやポテトチップスやファーストフードの誘惑)に
よって不恰好になっています。
それでも、7年前のその朝、自分が老けてきて、崩れた体型になっているという現実を見たとき、
私は目に映ったものが気に入りませんでした。
食生活と生活習慣を変えよう、と一大決心をして、私は書斎の棚から埃をかぶった
一般向けダイエットの本をつかむと、階下へ朝食をとりに行きました。
ダイエットや生活改善プログラムを遵守することに成功する人がいる一方で、そのほかの
大勢の人はなぜ失敗するのか、ということに関しては、具体的な理由があるのです。
その原因は精神的な強靭さ、いわゆる決心や<意思の力>論に完全にもとづくものではありません。
むしろ、ダイエットや生活改善プログラムを守りつづけられる人びとは、長期戦を
つづけられる人なのです。
彼らは決意や意思の力を最も長く持続することができるので、そのダイエットが習慣になり、
日々の生活の一部となっているのです。
生活習慣の改善をやり通すためには、その変化が習慣にならなければなりません。
歯を磨き、髪を梳かすといった、考えなくともできる活動のように、毎日の日課にある
通常のものにするのです。
心理学の研究によると、習慣(ダイエット、運動、ストレスの軽減、禁煙など)の変化を
持続させて、それを<習慣>に変えるためには、28日間はつづけなければなりません。
この習慣を身につけるためには、考える脳(新皮質)によって大脳辺縁系、つまり
情動的な脳を最終的にコントロールする必要があります。
私の経験のように、些細な邪魔が入るだけでも、大脳辺縁系はあらゆる真面目な決意を
帳消ししうるのです(決意は習慣ではないのです!)。
この章を読みながら、ご自分の目的をしっかり見つめていてください。
アルツハイマー病を予防する気になりましたか?
難解な科学の知識などなくとも、成功するか失敗するかは、やり通せる能力いかんに
よることがわかるでしょう。
生活習慣に関してわれわれが下す決断や選択には、何が影響するのでしょうか。
その答えは明白です。
われわれの選択は、たいがい大脳辺縁系(情動)によって下されているのです。
その反対に意思の力、つまり決めた道を進みつづけ、情動的な脳を否定する能力は、
大脳新皮質(思考)によって決められています。
新皮質は正しいことをおこない、弱者を労わり、思いやりをもち、日々運動し、
ケーキの代わりにベリー類を食べるようにわれわれに命じます。
大脳辺縁系は自分を労わり、苦痛を避け、楽しみを見出し、ソファに寝そべって
テレビを見て、果物や野菜ではなく、ドーナツを3個食べるようにわれわれに命じます。
問題は、われわれの考える新皮質の脳にどうすれば主導権を握らせられるか、なのです。
感情的なストレスにさらされているときに、どうすればドーナツをむさぼるのを
防げるのでしょうか?
答えはホルモンのバランスにあります。
この続きは、次回に。